組み敷くその身体は男にしては細く、しなやかに筋肉が付いている。額にしっとりと貼り付く前髪を払い、口付ける。愛おしそうに見上げてくる瞳は、純真で気高い宝石のようで、持ち主の心を表しているようだ。
『光秀』
 微笑み絡ませてくる指をより強く握り返せば、目を細め妖艶に誘ってくる。その誘惑に簡単に堕ちた俺がその身を弄れば、しがみついては歓喜に震える。
『光秀。好き。もっと』
 紡ぎ出される言葉の数々は俺が欲して止まないもの。そして、その愛しい人の名を呼んだ。

 重い瞼をこじ開ける。夢現の中、腹の辺りに熱を感じた。それは若干の息苦しさを伴うもので、まさかと思い視線を下に向ければ、その原因はすぐにわかった。
「まこと」
 腹にしがみつき、すうすうと寝息をたてる存在。あの一件があってからというもの、まことがやけに甘えたになったのだ。
 隙あらば人の膝の上を陣取ろうとするし、ちょこちょこ後を付いて回ることもしばしば。それはまだ可愛いものだが、夜になると布団に潜り込んできたりする。朝この状態で目覚めた時は大変だ。何がって、ナニが、である。
(生理現象だから仕方ねぇだろ)
 溜息を吐き出しながら頭を掻く。剰えあんな夢まで見てしまったら、ひとたまりもない。
 夢の中で自分が呼んでいた『真琴』と言う名前を思い出す。瞳に映っていたその姿は確かに人間そのもので、俺の名を呼び、微笑み、欲しい言葉をくれた。
(……欲求不満かよ)
 人の気も知らないで穏やかな寝息をたてている、まことの髪をくしゃりと混ぜる。昨夜は興奮していたのか、なかなか寝付かずにいた。運良く今日が休みだから良かったものを、これが仕事だったら確実に寝不足になっていたであろう。そんなことを考えていると、幼子の面倒でも見ている気分になってくる。
 しかし実際のところ、まことが青年の姿になってからというもの、人の言葉をより理解し反応を示すようになってきた。最近では喃語のようなものから、簡単な発音まで口から飛び出すようになり、驚いたものだ。
 ひとしきり柔らかな髪と、そこからひょこりと顔を覗かせる耳の感触を楽しむ。今はまだこうして穏やかな時間に甘えていたいと、そう思った。


 朝食を拵え、まことの様子を見に寝室へ向かった。
「オイ、まこと!?」
 そこにはベッドに蹲り、荒い息を吐き出すまことの姿があった。
「熱……は、ねぇな」
 動物は専門外だが、一応は人型を成しているので体のあちこちを触り、様子を見る。
「ぅ、あ……はぁ、ッ」
 その時だった。体に触れた途端、鼻に掛かった吐息が聞こえたのは。
「はっ?」
「っ、ふぁ……」
 頬を紅潮させ、荒い息を吐き出す。その姿には見覚えがあった。そう、獣症の発情症状とよく似ているのだ。
「もしかして発情期か? こういう時どうすりゃいいんだ?」
 脳裏をよぎったのは治療。文字通り獣症の発情を治療する行為だが、今のまことの状態を落ち着かせるには効果はあるだろう。
 しかし今朝のこともあり、手を出すことに躊躇ってしまう。
 暫く考えていると、まことが震える手を伸ばしてきた。
「!」
 縋るように手をきつく握り締められ、我に返る。
「ワリ……おめぇが一番辛いよな」
 涙を浮かべながら短く息を吐き、震える小さな体を見下ろす。己の欲なんて押し込めれば何も問題ない。これは『治療』なのだ。そう言い聞かせる。
「おら、来い。楽にしてやっから」
 まことの体を抱き起こし、ベットへ腰掛けさせる。
「は、ぁ……ぁ!」
「大丈夫。怖いことなんざ、しねぇからよ」
 なおも震えるまことの頬に触れると、不安げな瞳が見上げてくる。
(……っ、この、目がダメなんだよな)
 紫水晶を思わせる透き通った綺麗な目。最初に惹かれたのは、これだった。
 苦しいのか、時折荒い息を吐き出す。早く開放してあげたいと思う反面、未知の感覚に苛まれ、怯え、俺だけに縋ってくる姿が堪らない。こんな感情が自分の中にあるなんて思いもしなかった。
 しとどに蜜を溢れさせる欲望に優しく触れると、まことの体が小さく跳ねた。
「ぁ!! ぁ、あぅ」
 カタカタと震え、腕を掴んでくる手を取り、まことの涙に濡れる瞳を見つめながら、ゆっくりと口を開く。
「大丈夫だ」
「ぁ、っぅ……」
「それとも俺が信じられねぇか? ん?」
 ゆっくりと。けれど、しかと横に振られる首。それを見てふと笑うと、まことの表情が少し柔らかくなった気がした。
「ん。いい子」
 甘えるように「きゅぅ」と喉を鳴らす。頭をひと撫でして、再び欲望へと触れる。瞬間、体は強ばったものの、まことはすぐに委ねるように短く息を吐いた。
「オメェを楽にしてやるだけだからよ」
 大丈夫、ほら怖くねぇだろ? と安心させるよう声をかける。
 先走りを塗りつけるように全体を扱いてやれば、まことの口から甘い吐息が吐き出される。裏筋をなぞり、括れを確かめるように手を動かす。途端、まことが高く嬌声とも取れる声を発し、きゅっときつく目を瞑る。鈴口に触れると、それだけで蜜を溢れさせた。
「あっ、ぁ……ぁぁ、っ!」
 ごくりと、喉が鳴る。
(うまそう)
 頭に浮かんだ言葉。表情が、声が、仕草が、まことが……。
 そのまま鈴口に軽く爪を立てると、限界を超えた欲望が弾けた。
「っ、きぅ〜〜!!」
 喉を鳴らし達したまことが、肩で大きく息をする。
「おら、出来たじゃねぇか」
「は、ぁ……」
 そろりと目を開けた、まことと視線がぶつかる。目に浮かんだままの涙を拭ってやると、その手に甘えるように顔を擦り付けてきた。
 紅潮した頬。中途半端に開かれた形の良い唇から見える赤い舌。潤んだ瞳。けれど蕩けて、頼りなく揺れるそれは、俺の脳内に淫猥さだけを叩き込んだ。
『ウマソウ』
 はっきりと、何かが己にそう囁きかける。
(捕食する肉食動物っつーのは、ンな気持ちなのか……?)
 そんな馬鹿げたことをぼんやりと思った。
「ちったぁ落ち着いたか?」
 浮かんだ下劣なものを押し込め、取り繕うかのように、髪を撫でてやる。そういった欲を持て余している時点で、もう引き返せない所まで来ているというのに。
 頭の中で警鐘が鳴り響く。しかしその一方で『欲望に身を委ねろ』と唆す自分が居るのだ。
「ぁ、ン……う」
 そんな葛藤を嘲笑うかのように、治まりきらないのだろう、まことが再び腰を揺らめかせ始めた。
 舌打ちをしてしまいそうになる。
 するとまことが俺の手を取り、己の方へ引っ張った。そしてあろうことか、そのまま俺の指を、緩く反応を示している自身へと導いたのだった。
「っ!!」
「ん! ん!」
 さっきの行為を、またやれと強請ってくる。何て恐ろしい程無垢で、純真で、残酷なオネダリだろうか。
 呆ける俺に焦れたのか、まことは自ら掌に腰を押し付け、カクカクと揺すり始めた。拙いそれは、真っ新だったまことに、俺自身が教え込んだもの。
「あんっ、ぁ……あっ! あぅ」
「っ……ま、こと」
 切なそうに目を細め見つめてくる。先を催促する動きに、じわじわと理性の枷が外れ、押し込めていたはずの浅ましい欲が頭を擡げ始める。
 俺の手を自ら下肢に押し付け、それしか知らないとでも言うように、まことはひたすら喘ぐ。この身体にこれ以上の快楽を教え込んだら? 何も知らずに怯えていたのがこうだ。俺しか知らない身体を、癖になるぐらい俺で満たして、俺だけに、俺だけの……。

 静かに、ぶつりと、何かが切れた。

 迫るように俺に半ば乗り上げていたまことを、ベッドに横たえる。
 自らの意思を持って動き出した俺の手に、まことがほぅっと息を吐く。それは安堵にも、恍惚としたものにも取れて、思わず口元が歪む。
「ンなに良いのかよ。コレ」
「んっ、ぁ、あぁぅ!」
「なぁ、まこと……もっと気持ちいいモン欲しくねぇ?」
 耳元で囁けば、コクコクとまことが頷く。
 本当に無垢とは恐ろしい。
 今から自分が何をされるのか知らないのだ。嫌がっても、泣き喚いても止めてやれない。無垢な身体に己を刻み込みんでやりたい。
「はっ……飼い主失格だな」
「?」
 まことがコトリと首を傾げる。その姿にさえ欲と愛らしさが募り、身を焦がす。
「責任持って、ちゃぁんと面倒見てやっからよ」
 くりっとした瞳を向けてくるまことの頬に手を添えると、そこへ自ら擦り寄ってくる。
「んじゃま、とりあえずコッチ。だな」
「んあぅ!」
 一度吐き出したにも関わらず、ダラダラと蜜を零すそこを弾くと、途端に声を上げる。
 蜜を掬い上げ、欲を主張するものの更に奥へと指を這わす。硬く閉ざされたそこを指の腹で撫でると、不安そうな瞳が向けられる。
「もっと気持ちよくなれっから。ココで」
「んむっ、ふぁ、ン」
 まことの口内に指を差し込み、掻き回す。上顎を擽り、逃げ回る舌を指で挟んでやると、とろりと唾液が溢れた。それを零すまいと、ちぅっと指にまことが吸い付いてくる。
 無意識なのか、意図的なのか……。
 まことに限って後者ではないと思うが、男とは単純な生き物で、擬似的な行為を想像してしまい腹の底が熱くなる。
 口元から指を引き抜き、まことの体を反転させ、腰を引き寄せる。じたばたと暴れるが、ぺちりと尻を軽く叩き咎めたところで、すぐに大人しくなった。
「力抜いてろよ」
 ヒクつくそこへ唾液を絡めた指を一本潜り込ませる。ローションなんてもの当然ながらあるわけもない。しかし、まこと自身から溢れた先走りも手伝って、そこは濡れそぼっていた。
(今度ローションでも買ってくっかな)
「ぁ、はぅ……んんっ、ぁ、っく」
「痛くは……ねえみてぇだな」
「あっ、ひ……ぅ」
 存外すんなりと受け入れることに違和感を感じるが、中の熱さや締めつけに、意識がそこばかりへ集中してしまう。
 吸い付くような内部。指を動かせば、まことが体を跳ねさせる。探るわけでもなく、元から知っていたように、その場所へと触れていた。
「きぁ、ぁ! あっ……あぅ!」
「すっげぇ締めつけ」
「ひっ、ぃ、あ、あぁ!」
 入口のあたり。指で届く奥のしこり。そして、その奥の奥。全部『まこと』の好きなところ。
 既視感と妙な感覚に引っかかりを覚える。
――この身体を知っている。
 入口を張り出した先端で引っ掻けば、むずがるように逃げ惑い、その奥のしこりを抉れば、恍惚とした表情を浮かべる。そして、その奥の奥。俺のモノでしか届かないその場所で声もなく達するのだ。
 四つん這いで尻を高く上げ、枕に顔を擦り付けている。二本目の指を受け入れ、粘着音が忙しなく聞こえるそこへ視線を落とす。
(……ここに俺のを)
 二本の指を左右に広げ、その隙間にもう片方の手の指を捩じ込む。軟らかくうねり、すんなりと飲み込むそこ。不思議と嫌悪感はなく、むしろこれが当たり前のように思えてくる。
「あっ、あぅ! んっあ、ア、ひっ、ぁ」
「気持ちいいか?」
「ぃ、っあ、い、い」
「!!」
「い、い……ッ、う!」
 拙い言葉。しかしちゃんと音を成して耳に届くそれは、俺にとって十分過ぎるものだった。
「きもちいい、だ」
「っ、ぁ……き、もちい……」
「そうだ。ココもいいだろ?」
「あぁっ! はっ、ぁひっ……きもちい、きもち、ぃ」
「ん、いい子。もっと気持ちよくなろうな」
「ぁ、っ……も、っと?」
「おう。ココでな」
「ひぁ! あぅ、ぁ……っ、ァ、ひぅっ!」
 ちゅぷと水音をたてて、狭い中を両の手で割り開くように外気に晒す。ヒクヒクと収縮を繰り返す赤い内部を、指を曲げて引っ掻けば、まことの体が崩れ落ちそうになる。
 指を引き抜き腰を抱え直し、獣のように上から覆い被さった。
『兎は骨の弱い生き物だから、十分に注意してあげるんだよ』ふと教えられた言葉が浮かぶ。このままの体勢では、まことに負担を掛けかねない。
 それにだ。手加減出来る気もしない。それならば少しでもと思い、横たえていた体を抱き起こす。向かい合う形で膝の上に座らせ、半分蕩けた顔のまことの鼻の頭に口付けた。
 まことの体を抱き上げ、奥の窄まりへと張り詰めた自身の先端を擦り付ける。クチュクチュと厭らしい音が響き、それに呼応するようにまことの耳がピクピクと動く。
「あ、ぁ……!!」
 ぐっと腰を引き寄せると、先端がまことの中へ潜り込んだ。
 引きつった声を発しながら、口を大きく開け、はくはくと荒い呼吸を繰り返す。ぱかりと開いた口から覗く赤い小さな舌。頬を掴み、顔を引き寄せ、それにしゃぶりついていた。
 掌で簡単に覆い隠せるんじゃないかと思える程の小さな顔。がしりと両の手で固定し、挿入に驚き縮こまった舌を吸い上げ、食んだ。
 その間にもまことの秘部は、ずぶずぶと猛った熱を受け入れる。
(あー……やっべ、めちゃくちゃ気持ちいい)
 柔らかな舌をしつこく追い回し、絡め取る。それと同時にきゅうと締め付けてくるそこは、やはりというか、剛直を難なく迎え入れる。むしろ俺の形を知っているかのように誘い、受け入れる。
「んぅ、ぅ……う、む、ッ!」
 苦しいのか胸元を力なく叩く手に、渋々と唇を開放した途端、キッとまことに睨まれた。
「わりぃ、気持ちよかったから、つい」
 離した唇の間に唾液が伝い、ぷつりと途切れる。ニヤと笑み、謝罪の意味を込めて、唇を尖らせたまことのそこを啄む。
 尻たぶを掴み、ゆっくりとまことの体を持ち上げる。
「っ、あ! ひっ、あ、あぁっ!」
 張り出した先端で入口付近を引っ掻けば、その感覚に打ち震え、身を捩りながらまことが腕を掴んでくる。
 ずるりと引き抜き、また押し込む。ゆっくりとした抽挿に、まことが大きく目を見開いて、ぽろぽろと涙を溢れさせる。
 嫌々と首を振るも、当然ながらそれを聞き入れる理由もなく。
「嫌じゃねぇだろ」
「っ〜〜ァ、あぁぁ!」
「ほら、何て言やいいんだ? さっき教えたろ?」
「ひっ、ぁ、あうっ、っぃ、きぁ!」
「……かーわいい声」
 うっそりと笑みながら、ゆっくりと震えるまことの体を再び沈め、奥のしこりをゴリゴリと押しつぶす。
 背筋を反らせ首を曝け出す姿に、ごくりと喉が鳴る。
「そーんな無防備な姿、晒しちまっていいのかよ」
(こんな獣の前によぉ……)
「あ、あ、ァ……ぃ、あ、っ」
 仰け反る頭を支え、白い首筋にねっとりと舌を這わす。まことが嬌声を上げるたびに震える喉。柔い肌に歯を食い込ます。軽く歯型を残し、そこをじゅうと吸い上げれば、受け入れている後孔がきゅんと締め付ける。
 堪らず腰を動かせば、再び甲高い声がまことの口から飛び出す。
「っ、あー……たまんね」
「きぅ、ッ! ぁっ、ぁ!」
「ははっ、鳴いてんのか喘いでんのか、わっかんねぇな」
「あぅっ、ぁ、ッ、ぃ、あっ!」
「おら、教えたじゃねぇか。きもちいーって」
「ッ、ぁ……きもち、い」
「もっとーって」
「あっ、ァ、っ、と……もっと……」
「おう、よく出来ました、っと」
「あぁっ! ぁ、ぅ、も、っと……きもちい、ッ」
 俺の言葉を復唱するように声を上げる。意味なんて理解していないだろうに。それでも熱くなるこの体。
 奥を激しく突き上げる。しこりの更に奥。尻たぶを揉みしだき、尾の付け根を摩る。ぶわりと、まことが総毛立つのが分かった。
 首に腕を回し、しがみついてくる。
「あっ、あんっ、い、っ、きもちぃ」
「腰揺れてンぞ」
 密着した腹の間で、蜜を溢れさせ震えるまこと自身。それを更に腹に擦り付けるように、腰を動かしてくる。
「みつひで、って言ってみ?」
 ちょっとした欲が沸く。
「んっ……み、つ、ひれ」
「おーちょっと惜しいな」
「みつひれ、んっ、ふ……もっと……きもち、ぃ」
「っ!!」
「あ!! みつひれ、ひっ、ぅ、もっ、と」
 腰が重くなる。心の底から満たされたような心地さえ覚え、小さな体をかき抱いた。
「まこと、まこと……」
「みつひれ……ひんっ、ッ、きぃ、ぁ、ァ……」
 腰を掴み大きく打ち付ける。張り詰めた欲望で何度も何度も。
「っひ、きぁ! ぁ、あァ!」
「っ、は……く、まこと」
「あっ、は、みつひれ、ッ!! ぃあぁぁっ!」
 びくびくと体を震わせ上り詰め、やがてまことは白濁を飛び散らせた。そして俺もまた、その締めつけに耐え切れず、熱い内部へ欲望を吐き出した。
 くたりと寄りかかってくるまことを、そっとベッドへ寝かせる。
 ずるりと逸物を抜き取る。気を失っているにも関わらず、小さく声を上げ身じろぐ。塞ぐものの無くなった後孔から、こぽりと放ったものが溢れ出す。たった一度出しただけなのに、どろりと流れるその量に我ながら笑いが出てくる。それと同時に再び元気を取り戻しそうになる自身。
「俺もまだ若い……てか?」
 溜息をつき、くしゃりと髪を掻き上げる。とりあえずは、まぁ、まことが目覚めるまで待とうと。
 だらりと力の抜けた体を抱き上げ浴室へと向かった。

 深夜。僅かな衣擦れと体にかかる重みで目が覚める。
 目の前には頬を赤らめ、腹の上で腰を揺らすまことの姿。
「あっ、ぅ、みつひで……」
「はっ? え、ちょ、っ」
「あつい、の、ちょうだい?」
 うっとりと目を細め、すっかり立ち上がった俺の怒張に跨る。
 そのまま奥まで受け入れ、腹の上で跳ねるようにまことが動く。その動きにあわせて、茶色の耳がひょこひょこと揺れる。
 とろりと蕩けた紫水晶に魅入られるように、その熱に溺れた。
「光秀! おい、光秀!」
「ん……まこと?」
「大丈夫か? 随分魘されていたが」
「おまえ、耳は?」
「は? 発情もしてないのに何言ってるんだ……まだ寝ぼけているのか?」
 心配そうに覗き込んでくる真琴の髪に手を差し込む。そこでようやく夢を見ていたと気付く。
「あー……夢か」
「魘されるぐらいの夢って相当だな。大丈夫か?」
「いや、どっちかってーと、いい夢だったな」
「魘されてたのにか?」
 怪訝な視線を向けてくる。まぁ、それもそうだろう。
 心配してくれているのか、表情を伺ってくる真琴の視線が上目遣いで大変可愛らしい。そのうえ素っ裸ときたら……寝起きで、しかもあんな夢を見たあとだと耐えられる理由もない。
「真琴が兎になってな……そんで襲われてた」
「は……?」
 真琴の顔が引きつっている。
 腰をがっちり捕まえ引き寄せると、途端に顔を真っ赤にして怒鳴られた。
「っ、な、に……お、おっきくしてるんだ! この変態!」
「あんな夢見た後だし、しょうがねぇだろ」
「っ〜〜!! 起こさなければ良かった! ずっと魘されてろ馬鹿」
「それはそれで良いな。真琴が上で腰振ってくれてたしよ、最高だったぜ?」
「馬鹿! 離せっ、ひっ!」
 いきり立つ真琴の尻を撫で、その奥へ指を押し込む。すんなりと受け入れるそこは、夢の中で見たよりも俺を魅力的に誘ってきて……。
「あ、そういやこの前……」
「んっ、ぁ? な、に?」
 ゴソゴソとベッドサイドの引き出しを漁る。そこから取り出したものを見た真琴の悲鳴が響き渡った。




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