1分の1の確率で耽溺
あの日、あの時。貴方と出逢った瞬間から。私の心の中の時計の針は止まってしまったように動かない。
冷酷で獲物を射るような目に、ずっとずっと囚われたまま。
「ねぇ、ジン…好きよ」
「そぉか」
「そんなつれないこと言わないで」
貴方に出逢ったのはきっと必然だったのよ。
だって出逢った時から、私にはこの人しかいないって、本気で思ってしまったんだもの。
…ねぇ、だからこっちを見て?
ジンの膝の上に移動し、頬についた傷を慈しむように撫でて、彼と目線を合わせる。そしてそのままそっと唇を奪う。
「こーどねーむ、何のつもりだ」
「ジンが全然振り向いてくれないから。これくらい、どうせ慣れてるでしょ?」
「言うじゃねぇか…なら、もっとしてやろうか?」
言うや否や後頭部に手を回され、噛みつくような深く熱い口づけ。
このまま私の全てを奪ってほしい。
私を貴方だけの色に染めてほしい。
喉の奥を鳴らすような笑い方も、銃をも簡単に扱う武骨な手も、光に当たって輝く銀髪も、すべて私のものにしてしまいたい。
あぁ、貴方の瞳に映りたい。
嘘でもいいから私に愛を囁いて。
私は貴方しか見えなくなってしまったの…
私じゃ、だめですか?
2017/03/24
さこさん企画 第4回 #DC夢題
『1分の1の確率で耽溺』より
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