閑話 / 黒尾


会話文


「鉄朗〜この前宮城で練習試合したんだって?お土産は?」
「俺たちは練習に行ったんです。そんなもの買う暇ありませーん。」
「この前ノート写させてあげたのに?」
「それは…そのうちな!」
「約束だからね?ところでどうだった宮城。」
「我が音駒バレー部因縁の相手烏野との試合は面白かったわ。研磨も楽しそうだった。」
「え、あの無気力研磨くんが?」
「とんでもねぇチビちゃんがいて、そいつに感化されて。」
「へー、もちろん試合は勝ったんだよね?」
「当たり前だろ、俺らは負けない。」
「いいね、その感じ。」
「なまえは?部活どうなんだよ。」
「うちはまた二回戦敗退かなー、この間の練習試合もボロ負けだったし。」
「お前なぁ…。」
「あ、もちろん負けるつもりで挑んではいないよ。毎回勝つ気でいる。」
「ならよし。」
「でも、そう思ってるのは私だけで…後輩になんて声掛けたらいいかわからないんだよね。」
「まあ、難しいわな。でもなまえが本気でやってるところ見れば他の奴らも変わるだろうぜ。」
「そっか、さすが強豪バレー部の主将!」
「もっと褒めてくれてもいいんだぞー。」
「そういえばさ、後輩が鉄朗のこと好きになっちゃったみたいなんだよね。」
「おいスルーか。っていうか、どんな子?」
「いや、彼女の前で他の女に興味持つなよ。」
「なまえが言い始めたことだろー。」
「そうやって宮城でも可愛い女の子にデレデレしてたんじゃないの?」
「それが本当に聞きたかったことだな?可愛いななまえちゃんは、ヤキモチですか。」
「…そうですぅ。」
「いや、まじでなまえかわいいな。俺はお前だけしか見てないから。」
「鉄朗のくせにかっこいいじゃん。」
「僕はいつでもかっこいいです。もういい加減付き合ってるって大っぴらにしようぜ。…なまえは俺のだって言いたい。」
「うん。私もそう言おうと思ってた。」
「善は急げだ!夜久―!!俺なまえと付き合ってるー!!」
「ちょ、ちょっと!!」
「知ってるわ!!!うるせーぞ黒尾!!!」


閑話
 むだばなし、静かに談話すること