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ティ→ユウ(FF10-2) >> other
あのイベントの彼が本物の彼だったとしたら…。
祈り子は言った。
また夢を見始めたんだと。
世界の異変を伝える為に、夢を見始めたんだと。
だけど、夢は不完全だった。だから俺は不完全な存在のまま意識を覚醒させた。
流れ落ちていく水の流れ、綺麗なようでいて不気味とすらも思える限りない花畑。どこまでも続く幻想的な風景。
ああ、自分は似たような場所を知っている。自分は夢だから本来ならば来られる筈のない、死者が行き着く最終点、異界。
花々に囲まれて横たわる彼女の頬を半透明な手で撫であげた。
「ユウナ」
声は多分、届かない。
目に映る彼女は記憶の中にあるものとは何もかもが違っていた。髪型も服装も自分が知っているものとは違う、それによって受ける印象も違う。
何より一番驚いたのは、あの頃よりもずっと大人びた顔つきをしているという事。大人顔負けの限りない決意と意志を持っていながら、歳相応の幼さを残していたあの頃の女の子とは違うんだ。
それは少女から女性への変化と言うべきか。なんというか、すんごく綺麗だなと思った。
あれからどのくらいの月日が経っているのは知らない。だけど、自分が失ったものの大きさをこの上なく痛感するには十分すぎる程だった。
もう子供じゃないんだよな。これから彼女はもっと大人になっていく、俺を追い抜かしてずっとずっと届かない先を歩いていく。そんなの、分かっていた事だったじゃないか。
(だとしても、やっぱり目の前で見せられるとキツイッスよ……)
指笛を鳴らす。
(俺はここだ)
鳴らす。
(ここにいるよ)
何度でも鳴らす。
俺の姿を見せる事は出来ないけれど、只、気付いて欲しかったんだ。
「どこ!?」