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シリアスなルサ >> pksp
「疲れた」
どうして手が震えるんだろう。
どうして声を掛けてやる事が出来ないんだろう。
「もう、疲れた……」
ただ、彼女に触れて安心させてやればいいのに。
どうして僕はそこで躊躇っているんだろう。
「……」
応える事も、拒絶する事も出来たのに。けど、しなかった。それが一番彼女を傷付けるというのを知りながら。
臆病者なのは自分でもよく分かっているんだよ。
「馬鹿だな……」
「……っ」
こんな僕を好きになるなんて君は馬鹿だね。
でも、そんな君を悲しませている僕はそれ以上の大馬鹿野郎だ。
「そう、反吐が出るぐらいにね」