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+植森前提のモブ→森 >> ueki
卒業を間近に控えたある日の放課後、彼女を呼び出した。何も言えないままの別れが、只の同級生としか彼女に記憶されないのが嫌だった。
「好きです」
「…ごめんなさい。私、好きな人がいるから」
「それって」
先の言葉は紡げない。彼女と特別親しかった彼の存在は知っていたし、あの騒動から彼が忽然と姿を消してしまったのは有名な話となっている。
ありがとう。返ってきたのは痛々しいまでの微笑みで、彼女を置いて消えてしまった恋敵に理不尽な憤りを、彼女の支えにすらなれない自分自身に悔しさを覚えながら結局僕は精一杯の笑いを返す事しか出来なかった。
メガサイトから帰ってきた後、他の同級生と久々に出会った植木がちょっと世間話に花を咲かせる。その過程で森が男子から告白されては「好きな人がいるから」と断っていた事を知り、自分を棚に上げてモヤモヤ焦り始めるそんな植森いいと思います。