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気付いてしまった。
この、俺の気持ち。
最初はコレの正体が何なのか分からなかった。只喋ったり、手を握られたりするだけで胸が熱くなって、鼓動が早くなって、酷い時は近付かれるだけでドキドキする。分かっているのは、彼女に対してだけこの現象は起きるという事だ。
この熱くなって、どうしようもない想いを俺は封じ込める事にした。だっていけないだろう?俺が彼女にそんな想いを抱いているなんて。
でも、ある日確信したんだ。ダイヤが彼女と仲良さそうに喋ってるのを見た時だ。体が熱くなった。彼女と居る時と同じようで違うこの熱い胸の鼓動。今までと違う熱さに戸惑う。
その時思った。これは醜い感情なのだと。俺はダイヤに嫉妬しているのだと。
認めざるおえない。
俺は彼女と居ると熱くなって、ドキドキした。ダイヤと彼女が喋っているのを嫉妬した。認めたくなかった。
……俺は、彼女に恋をしている。
「パール…?」
ふと自分の名前を呼ばれた。すぐに反応する事ができなくて、愛想のない返事をしてしまう。
「…パール」
「な、なんだよ…」
彼女が俺の顔を覗き込む。彼女と俺の距離は数十p。目が直に合い、体の温度が急上昇していく。思わず目線を反らす。熱い。早過ぎる鼓動が苦しくなる。自分がどうにかなってしまいそうだ。彼女の側から一刻も離れようと彼女を引き剥がし、距離をおいた。
「パール!」
「………」
流石に無視は出来ないので、距離おいたまま彼女を見る。が、俺は彼女のその表情に驚きを隠せなかった。彼女は泣きそうな顔をしていたからだ。普段の表情からは想像もつかない程、涙をためて、こちらを見据えていた。
「お嬢さん…?」
「…貴方は、私を嫌っているのですか?」
「…へっ?」
俺が、お嬢さんを嫌う…?
まさか。好きだから熱くなったり、ドキドキしたりするんだろ?苦しくなって、だから離れて…。
て、あ…。もしかして、俺はそれでお嬢さんに勘違いさせてしまったのか…?
「答えてください。貴方は私を…」
「…俺は、お嬢さんを嫌ってなんかない!……むしろ…」
「むし、ろ……?」
そんな時。後ろから声と足音がした。
この声は…、ダイヤだ。道に迷っていた俺達は、ダイヤに偵察に行かせていた。そのダイヤが帰って来たのだろう。
「おーい!パール、お嬢様ー!やっぱり、この方向に町があるみたいだよ〜!」
「ダイヤ!」
ダイヤと合流し、歩き始める支度をする。ちらっとお嬢さんを見たけど、いつもどおりのキリッとした表情に戻っていた。
「お嬢さん…、あのさ」
「パールー!お嬢様ー!早く行こうよぉ!オイラお腹空いたんだ〜」
「あ、はい!…行きましょう、パール」
「!!……あ、あぁ!」
彼女はそう言うと、数歩先に居るダイヤの元へ駆け出した。後ろからそれを眺めていると、二人から早くと促す声が聞こえ、俺も駆け出す。
『貴方は私を嫌っているのですか?』
『答えてください。貴方は私を…』
嫌ってなんかないさ。むしろ、俺は………、
ただ一言が、声にならない
(君が好きだと言えたらいいのに)
10.1.18
//ただ一言が、声にならない