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「パール、」
俺を呼ぶ声。俺の愛しい愛しいお嬢さん、俺の守るべき存在。そんな彼女がいきなり抱きついきて、驚いた俺はわっと変な声が出てしまった。
彼女は淋しがり屋で時々抱きしめてやるのだが、こうやって自分からきたのは初めてな気がする。
「パール、愛しています」
「お嬢さん。お、俺は…」
多分、自分もお嬢さんと同じ気持ちなんだと思う。だけど、お嬢さんの気持ちに応える事は出来ない。応えてはいけない。俺にとってお嬢さんは、お姫様のような神聖な対象であり、俺は守るべき立場であるからだ。
間違えてはいけない。俺はお嬢さんの、プラチナの騎士であるべき存在であり、決してお嬢さんの相手にはなれないのだと。お嬢さんにはそれ相応の相手が居る筈だから。
「わかっています。それでも私はパールを愛しているのです。…愛して、いるのです!だから、今だけでも…。お願いです、パール」
「お嬢さん…」
お嬢さんには進むべき道があって、選ぶべき相手も居る。俺達は所詮、それまでの関係だ。その時が来るまでの、永遠ではない関係。それはお嬢さん自身も分かっていて、だからこそこんなにも真っ直ぐに俺を求めるのだろう。
「愛しています、パール」
「俺も、好きだよ。プラチナ」
愛してあげる事は出来ないけれど、今だけの淋しさを埋めてあげる事は出来ると思うから。だから、俺は彼女を抱きしめ返してやるんだ。
最後から二番目の願い
(終わりがくると知っていても)
(今、幸福を感じたいのです)
title by 確かに恋だった
10.4.5
//最後から二番目の願い