泣かない君へ

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再会の才 / よろずりんく

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バレンタインでのお話。
恋人設定。




14日は秘密基地に来てほしい。
そう、あたしはアイツに言った。2月14日はバレンタインデー。女の子が好きな男の子にチョコレートやお菓子をあげる日。
あたしはアイツの事が好き。大好きなのだ。だから慣れないお菓子作りをやってでも、アイツに精一杯の想いを伝えたい。

「ルビーはまだ来てなかと…?」

ポケモンを観測する為に作られた質素な秘密基地も、今ではカラフルに飾り付けられている。全てルビーが置いたものだ。あたしは置いてあったルリリドールを抱きしめながら待っていた。

「やぁ、待たせてごめん」

「ん、そげん待ってなかよ」

…本当は、30分も前に来てしまったけど。今は待ち合わせの時間まで10分前。そんなにうきうき気分な自分を悟られたくなくて、黙っている事にした。

「…今日、呼んだんはね」

「あー、そうそう。君に見せたいものがあるんだ」

「見せたいもん?」

するとルビーは自分で持って来たであろう箱を取り出して、テーブルの上に置いた。その箱は可愛いピンクのリボンで装飾されていた。

「これ、何?」

「開けてみなよ」

そう言われたので、あたしは開ける事にした。ドキドキする。一体、何が入っているんだろう…?
すると箱からは、

「……ケーキ?」

「そう、チョコレートケーキ!僕が君の為につくってきたのさ」

さぞ当たり前のように、そう答えられた。あたしにはさっぱり分からなかった。今日はバレンタイン。それでチョコレートという事は分かる。だけど、何故ルビーがつくってくるのか。

「なして?」

「何故男である僕がバレンタインに作ってくるのか、だろう?最近、男からも贈り物をする、逆チョコなるものが流行ってるんだよ?知らないのかい?」

「……知らんかった」

「まぁ、流行ってるのも都会だからね。知らないのも無理ないかな」

「…残念ったい。あたし…、あたしも…」

チョコレート。せっかく作ってきたのに。食べてもらえないなんて…。涙が出そう…。


「誰が食べない、なんて言ったの?」

「へっ?」

「全く。君は、早とちりしすぎなんだよ。というか、料理とか家庭的なものが苦手な君が作ってくれたなんて。とても嬉しいよ」

「ルビー…」

「さぁ、一緒に食べよう。僕もケーキだけじゃなくて。色々作ってきたんだ」

「うんっ!」




バレンタインデーは女の子が愛を伝える日とされているけれど、男女が愛を確かめ合う日でもあるんだ。…僕達のようにね。

ティーカップに手をかけたルビーは、微笑みながら言った。







(まぁ、確かめ合わなくたって)
(君も僕もベタ惚れだろうけどね?)



title by 確かに恋だった

10.2.14
//そして角砂糖をみっつ