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44巻でブラック←ベル←チェレン
ブラックはいつも夢中になってポケモンバトルのことを語る。
ポケモンバトルと、リーグで優勝するという夢のことを。
『でな、ポケモンバトルにおいて大事なところは……』
『うん、うん』
あたしにはよく分からなかったけれど、夢と夢に繋がるものに一生懸命になっているブラックはとてもキラキラしていて、そんなブラックを見るのはすごく楽しかった。
ブラックとチェレンは小さな頃から三人一緒だった頃の延長で流れるままに自然とあたしも旅に乗り出したんだって、多分思っているだろうけど、本当は違うの。
あたしはブラックを見ていたかったんだ。ブラックと同じことをして、ブラックと同じ景色を見て、そしてブラックを見続けていたかった。 一生懸命になるブラックを傍で見たかった。
でもね、あたしにそれは無理だって今日分かっちゃった。
ブラックがあたし達の知らない間に知らない人、それも女の子と仲良くしていたのもあるよ。でも、何よりも強く思わされたのはブラックが夢見ていたジムバトルの厳しさとブラックの真剣な姿を目の当たりにして、あたしがどんなに軽はずみな理由で旅をしようとしてたかが何となく分かっちゃった。
あたしではきっとブラックを後ろから追いかけることは出来ても隣には立てない。あたしではきっとお荷物になりっぱなしになっちゃうから。
だから、もう……いいんだ。
「そういえば、良かったの?」
「ん? なにが〜?」
「ベルはブラックと一緒に行きたかったんだろ?」
「ええっ、どうして知ってるの?!」
「全く、何年キミの幼なじみをやってると思っているんだい?」
「えへへ〜、さすがチェレン。周りのことをよく見てるね」
「キミのことだからよく見てるんだけどね」
「えっ?」
「……なんでもないよ。気にしないで」
「うん……。ほんとはね、チェレンの言うとおり思ってた。でも、もういいの」
あたしとブラックの道は違うから。
だからあたしはあたしの道を行くんだ。
「あたし、決めたよ。この旅で自分のやりたいことを探す。それを目標にする! だから……うん、あらためてよろしくね、チェレン!」
「……こちらこそ」
手を差し出すとチェレンは快く受け入れてくれた。よろしくの意味がこもった友情の握手!
ようし、まずはブラックに追いついて番号を聞くところから。そうしてから、あたしは目標を見つける為の旅を始める。ううん、違う。あたしは今ここに自分の足で立っているもん。もうすでに冒険は始まっているのよね。
ねぇ、ブラック。あたしもブラックみたいに夢中になれるようなことを見つけて、ブラックみたいにキラキラ輝けるようになるから……!
いつの日か、そんなあたしを見てほしいな、なんて。
「じゃあ行こうよ、チェレン!」
「ちなみにそっちは反対側だから」
「……ふぇぇ〜〜」
13.7.3
//いつか、この花が咲くとき