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※くだらない話です。
※下ネタ表現があります。苦手な方はブラウザバック推奨です。
※Something Blue 72.desire to monopolizeあたりの話です。
「いやー。俺めっちゃいい場所にいたわ」
温泉を上がり、開口一番。
上鳴電気はとても満足げな表情で言った。
上鳴の発言に、なにが?と隣で着替えをしていた切島が答えた。
お前もだろ。とすかさず上鳴は答える。
「奏出さんの下乳、最高じゃね?」
その発言に切島は少し頬を染めた。
急いで辺りを見回したと思うと、安堵のため息を1つ漏らした。
「轟に聞かれてたらお前死んでたぞ」
「わかってるって。いないから今言ったんじゃん」
勉強は苦手なようだが、こういう事に関しては少しは頭が回るようだ。
その口ぶりに瀬呂が苦笑を浮かべている。
「緑谷なんて超べスポジだったじゃん。全部見えたんじゃね?まじ羨ましいわ」
「上鳴君!破廉恥だぞ!雄英生徒としてあるまじき発言だ!」
「いいじゃん。別に、覗いたわけじゃねえし」
周囲の男子たちは口にはしないものの、心の中で上鳴に賛同していた。
突然の出来事だった。
落下した少年を助けようと、突然彩海が壁を乗り越えてやってきたのだ。
人魚に姿を変えていたし、長い髪が胸元を隠してはいたけれど、裸の女性が突然姿を現したのだ。
男にとってこんなにラッキーな出来事はない。
思春期な彼らにとっては猶更だ。
「緑谷がべスポジ?……笑わせんなよ」
周囲の視線が声の主に一斉に現れる。
急な注目を浴びながらも、ただ1人勝ち誇ったような顔をしている人物。
紛れもない、事のきっかけを呼び起こした男。
1-A 性欲の権化、峰田実だ。
「今回のべスポジは、紛れもなく俺だろ」
清々しいほどのドヤ顔。
ご満悦なその態度に、真っ先に反応したのは上鳴だった。
「峰田まさかお前全部見えて……!!」
「いや。残念ながらそこまではいけなかった。腕で隠された後に出来た、谷間が限度だ」
くだらねえ。そう言いたそうな顔で爆豪が脱衣所を後にした。
飯田は相変わらず峰田を律するような発言を投げかけている。だが周りはそんな声を気にも留めず、峰田の発言に耳を澄ましていた。
一体何があったのか。
高1男子達にはとても興味深い話だった。
「よく思い返してほしいんすよ。俺が奏出様に何をして頂いたか」
まるで女神のような扱い。
峰田は思い返すように目を細めて、明後日の方向を眺めていた。
他の男子たちも同じように先ほど起こった出来事を思い返している。
「……駄目だ。下乳の印象が強すぎて思い出せねえ」
「俺は谷間かな」
上鳴の発言に、ナチュラルに入ってきた瀬呂。
しっかりと見ているあたり意外とちゃっかりとしている。何気ない勝ち組である。
峰田は2人を見て鼻で笑い、また渾身のドヤ顔を向けた。
「お前ら胸ばっかかよ。つまんないやつらだぜ。俺はな……尾ひれで叩いて頂いたんすよ」
一同、沈黙。
みんな同じように、訝し気な表情を浮かべていた。
ただ1人、峰田だけは勝ち誇ったような顔を浮かべている。
「は?」
そんな沈黙を真っ先に破ったのは上鳴だった。
その場にいる峰田以外の全員の気持ちを汲んでいる、シンプルな一言だ。
「尾ひれ?」
「それのどこがいいんだ?」
先ほどまで黙って行方を見守るだけだった切島も、耐えかねて会話に入ってきた。
峰田はやれやれ、といった様子でオーバーに首を横に振る。
「わかってねえんすよ、お前ら。奏出様の尾ひれはいわば足と一緒……俺はその、奏出さんの足に踏んづけてもらえたんすよ……!!」
峰田の発言に、一同が引いた。
マゾかよ、と上鳴が顔は若干引きつらせて言った。
お前の性癖広すぎだろ、と切島が続いた。
尾白は苦笑しながら、自分の尾で頬をかいている。
「幸せ者だな、峰田」
「ああ。お前は本物だよ」
「よせよ、照れるだろ」
気持ち悪い褒め合いが繰り広げられる。
微妙な空気が脱衣所に流れていた。
「まあなんにせよ、合宿でベスト3には入る最高の思い出が出来たな」
上鳴の発言に、またみんな声には出さずに賛同した。
ただ1人、うるさく注意する飯田を除いて。
翌日。
彩海を目にすると言い表せない背徳感に苛まれ、1-Aの男子たちは合宿に集中するのに大変だったという。
あの時の僕らは、それでも充分しあわせだった