追い風を辿れば

異空間に佇むわたしに緑色のおとこのひとは言った。


「君を時空の歪みに落としてしまったんだ」


申し訳なさそうに語る彼の言葉を理解が追いつかないままふわふわと耳にいれていると、突然体中に衝撃が走る単語がわたしを貫いた。


「別の世界」

「…で、生きてほしいんだ。やよい」




それはわたしがいままで死ぬほど

喉から手がでるほどほしかったことば




第三話





やよいに向けて一直線に進む自分の放った霊丸を見て、勢いでもなんてことをしたんだと後悔した。

たとえケガをしてもばーさんが治してくれるだろうが、こんなか弱い女相手にほんとなにやってんだオレは。


もっとちゃんと口でだめだってわからせてやればよかっ…


「ん?」



すると突然やよいを何か丸い大きなものが覆った。なんだ…あれ?

顔がついている。



「(なんか見覚えが…っていうかあれ)」


かぱっ。
あーん。



「パックマンじゃねえか…!!!」



ごっくん。
















擬音だらけでなにがなんだかわからなかったので整理の意味も込めて振り返ろう。

「ねーだいじょうぶだったでしょー?」



けろっと笑っているやよいはとりあえず無視だ無視。
意・味・わ・か・ん・ね・え!!


まずオレは確かに霊丸を撃った。力は弱かったとはいえ確実に撃った。
それはまっすぐあいつに飛んでいったし、直撃するはずだった。

・・・はずだったのに。



「はあああああああ?!」



突然やよいの体を覆うように現れたパックマンに霊丸を飲まれた。

飲まれ、た。



「んだよ今の!!!」

「なんかねーわたし自身は普通に弱っちいんだけど、パックマンが現れて攻撃とかぜんぶ飲んでくれるんだってー」

「はあ?!」

「ちなみにその攻撃はパックマンが貯めてるから時間をかけて強くして敵にぶつけることもできるらしい!
まあわたしは戦う気ないけど、とりあえずケガはしないよー」


のほほーん。


幽助ー、このお茶おいしいよー。くらいのテンションでこいつは何を言ってるんだ。どんだけマイペースなんだ。


「で、でもよ!肉弾戦とかだったらどうなるんだ?!」

「よくわかんないけど、ばいーんって跳ね返せるっぽいよ。ばいーんって。」


にっこり。

どこまでもマイペースに笑うやよいに、オレはなんだかいろんなものをあきらめた。



「じゃあもう勝手についてこいよ…でもマネージャーな。補欠は許さねえ」
「わああああ!ありがと幽助!!」


ため息混じりにそう言うと、やよいは大げさなまでに喜んだ。



ったく、んっと調子狂うなあ・・・



ありがとう、何度も嬉しそうに繰り返すやよいにオレはもう一度深くため息をついた。