SSおきば
※:性的描写あり15.12.18
ヨリ×マゴ
心臓に悪い話
打ち明けるつもりなど毛頭なかった。こんなクソみたいなどろどろに腐った気持ちなんて消えてしまえと思っていたのに、久し振りに顔を見ただけで嫌な熱が沸々と沸き出ていく。
「ちょっと、飲んでいかないか」
そんな甘い一言から逃れる力等無く、戸惑いながらも安い缶ビールを片手に昔話に花を咲かせながら、げらげらと騒がしいお笑い番組を流してだらだらと過ごす。程良く酔いが回ってきた頃に、旧友がうとうとと船を漕ぎ始めて、何度寝てしまえと催促しても目を擦ってはまだ起きていると我儘を零してくる。彼のとろんと蕩けた瞳に果たして自身が正しく映っているかどうかは分からない。ついにテーブルにうつ伏せになった丸まった体は次第に規則的に浮き沈みを始め、やれやれと溜息を吐きながら物置に入っているだろう毛布を取り出そうと立ち上がったその時。
「うお」
不意に、フクの裾を掴まれてそのまま尻餅をついた。いてぇな、と文句を飛ばすと、目の前にはへにゃりと柔らかに笑った旧友がその手で掴んだままにぼそりと言葉を落としたのだった。
「行かないで」
その後の数秒間の記憶だけがばちんと撥ねて、何処かへ消えた。気が付けば、壁際に彼を追い込んで腕を抑えつけながらその細い首元に唇を寄せていた。
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