SSおきば
※:性的描写あり25.03.19
ヨリ×マゴ
相手の嫌そうな顔を見て苦笑する話
https://odaibako.net/gacha/242
昔ほどではないけれど、ガールの話をするとヨリは基本的に嫌な顔をする。恐らくあまり良い記憶がないことが多かったせいなのだろうけど、元はと言えばその根底にはかつて共に生活をしていた幼馴染であるシノブの存在が大きいのだろうなと思う。
子供の頃は顔を合わせる度に喧嘩をしていたくらいに犬猿の仲だったので、その頃から仲の良い証なんだなと羨ましいと思っていたけれど、今となっては迷宮入りの話でもある。それでもやはり、お互いに突き放そうとしなかったあたり、嫌いではなかったのだろうなと自分の中では勝手にそういうことにしていた(怒られそうだから言わない)。
「ガール運がねえんだよ、俺」
「なんだ、そのガール運って」
「だからさ、お前も祭りの時見たろ? 俺に近寄ってくるガールはことごとく、ああいう我が強いヤツばっかなんだよ」
要するに、自分の事しか考えないようなヤツ。そう零しては大きな溜息を吐いたヨリは、以前リンと三人で遊びに行った夏祭りの日の事件を思い出したのか、ぶるりと体を震わせながら手元のビール缶を一気に飲み干した。
「そもそもガールちゃんが近寄ってこないぞ、俺のところには……」
「残念だったな、非モテくん」
「おい、言って良い事と悪い事があるだろ!」
「それはともかくだ。もういいんだよ、別に。俺にはお前がいるから」
「勿体無いなあ。せっかく何故かモテるのに、俺なんか選んじゃって」
「俺は最初からお前の事しか見てねえよ」
ちょっとした冗談のつもりが、逆に言いくるめられて思わず息が詰まる。そんなのずるい、とさえも口に出せないまま腕を引かれ、そのままほのかに香るアルコールの匂いと共に抱き寄せられて、辛うじて臭いと文句を言ってやる。しかし、どうやらバレバレだったようでそれを無視して背中に回った両腕、風呂上がりのほかほかした胸板に大人しく体を預ける他なく、ばか、と一言零してはそっと頬に口付けた。
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