練度がようやく特付きになった小烏丸。弾む気持ちで主に報告に行けば、執務室の前で近侍に政府から見合いを行うように言われたと主の声を聞く。
小烏丸はその本丸の審神者に懸想していた。若いながらも何十もの刀剣を従え、日々歴史を守るため戦う、強く美しく、やさしい娘に恋をしていた。けれど、自分と審神者はあくまで主従関係であり、また刀剣と人間、神と人の子。思いを伝えるなんてこと、できるわけがなかった。
 小烏丸はただただ立ち尽くし、主と近侍の加州がどこか気恥ずかしそうに話を続けるのを聞く。主がお嫁さんになっちゃうかもしれないのか。いや、会ったこともないし、第一そうなるかなんてわからないよ。ふーん、でも、複雑な感じだな、主がお嫁になって幸せになるなら嬉しいけど、とられちゃうもんね。
 小烏丸はそれ以上聞いていられなかった。遠くからほかの刀剣たちの声が聞こえた。知らずぽろぽろと零れ落ちる雫が、床に小さな水溜まりを作る。それを足で消すようにすると小烏丸は逃げるように自室に帰り、止まらない涙と彼女と見合いをするだろう他本丸の審神者に嫉妬から、パニックになり泣き。

 まあ最終的に他刀剣が執務室前を通った時になんだこの水?ってなって、誰かいたのかってなって、それからみんなを広間に集めて説明するけど小烏がいなくて、なんとなく彼なんだろうと考えて審神者は後で行く。
 で、泣いて寝てるのを見て起きるまで待って、起きたらちゃんと事情を説明して。自分が好きなのは小烏だから、相手には悪いけど断っちゃおうかなとか言って。小烏がパチクリ、なんでと不思議そうにしたら、小烏は自分を助けてくれたからって。重圧に負けて帰りたいと泣いた時、そばにいてくれた。話を聞いてくれた、支えてくれた優しい刀剣だから。それから好きになってたと。
 小烏びっくり。でも、まあハッピーエンド。私は貴方を選びます。

あとがき。
引用はここから。どーのこーの。
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