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好きだから食べてしまいました
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「あっれー、佐藤さん何食べてんの?」
「高尾君、おかえりー。新発売のチョコレートだよ!」
丁度緑間君と感想出しあってたの、と佐藤さんは屈託なく笑う。
クラスメートで真ちゃんの隣の席の佐藤さん。そんでオレの好きな子。先生に呼ばれて戻ってきたら二人が向き合って何かを話しているのが見えて考えるよりも先に声をかけてた。
二人とも特に仲も悪くないから会話くらいするのは分かってたけどやっぱ悔しいじゃん。隣の席って時点で真ちゃんの方がオレより気軽に佐藤さんと話せる回数も増えるわけだし?
ま、真ちゃんは普通にクラスメートだとしか思ってないのは見ててわかるけど。じゃあ、佐藤さんは?
「真ちゃんがチョコ食べるなんてめっずらしー」
「えっ、もしかして緑間君甘いもの苦手だった!? ごめん!」
「嫌いと言うわけではない。自ら好き好んで食べる事はないが薦められれば普通に食べる」
「そ、そっか。よかった」
佐藤さんの焦った顔カーワイー、なんて悠長に考えてる場合じゃねーだろ。何か前より仲良くなってないか、この二人。佐藤さんマジで真ちゃんに……十分あり得る。真ちゃん変人だけど何だかんだモテるからねぇ。
「佐藤さん、オレにも一個ちょーだい」
「あ、うん。いいよ」
真ちゃんの前の席に座るオレに向き直った佐藤さんがチョコレートを一粒差し出してきた。小さい手だなとか、女の子だなとか、まじまじ見つめる。オレの下心なんて気付いてないこの子がかわいくて仕方ない。
「た、高尾君? チョコ溶けちゃうよ?」
「あ。んじゃ、そのまま食べさせてよ」
「え?」
「何をバカな事を言っているのだよ高尾……」
「はい」
見つめながら口を開けて待つけど、佐藤さんは顔を真っ赤にしてものすごく迷ってる。真ちゃんも食べるならさっさと食べろって急かしてくるけどこれは譲れない。
「ほら、ベタベタになる前に入れちゃった方がいーんじゃない?」
「で、でも……」
「ほら」
「えっ……」
待ちきれなくてオレは佐藤さんの手を掴んで引き寄せて――チョコレートを口に入れた。体温で少し柔らかくなったそれは甘くてジワジワ溶けてく。
「あ、あの……た、高尾君……ゆ、び……」
佐藤さんの顔がさらに真っ赤になって、酸欠の魚みたいに口をパクパク動かしてる。何でかって、オレが佐藤さんの指先ごと口に含んだから。悪ぃね――あまりにも好きすぎて食べちゃった。
でもこれで嫌でもオレのこと意識するでしょ?
それが好きに変わるまでまた食べちゃうかもね、キミのこと。次はどこにしようかなぁ――なんて。
真ちゃんから人食主義なのかとドン引きされればいいと思う Title/
確かに恋だった
(2017/4/5)
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