ストーカー

俺が帰って来る頃には、もうお前は仕事に出かけていて
最後まで飲まないくせに多めに淹れたコーヒーに、食べかけの食パン。
朝からこんなの食ってたら体もたねぇだろって、呆れながら残した食パンを口にほおりこむ。
エアコンの消し忘れに、締め切ったままのカーテン。
そんなだらしない所も、俺だけが知っている。
昨日観ていた映画だって途中でお前は眠ってしまって、俺が帰ってきたのすら気付かなかった。
最後のラストシーンがすごく良かったんだ。
今度見る時は、寝そうになったら俺が起こしてあげるから。

お前は愛想が良いから悪い虫が寄ってきちまう。
燃やしても燃やしても、湧いてくるから困ってるんだ。
『自分がどれだけ思われてるか』なんて図らなくても、俺はお前だけなのに。

アクセサリーをつける順番も、
ドアチェーンをかける時間帯も、
寂しそうに一人慰める瞬間も、
たまに見せる冷たい視線も、

全部知ってる、俺だけの



――――――


「?どうしたの、最近落ち着きがないね」

「、ううん…なんか最近誰かに見られてる気がして」