死んだように眠るから

夢の中で彼が何かを言っている。
全然聞こえなくて、聞き返したらどんどん遠ざかっていく。
必死で追いかけてるのに、貴方との距離は縮まらなくて何度も名前を呼んだところで目が覚めた。
汗がびっしょりで、首とおでこに張り付く髪の毛が気持ち悪い。
ふと横を見れば、いつのまにか隣で寝てる弔の姿があった。
目を瞑る彼がやけに綺麗で、息をしていないように見えた。
起き上がって胸に手を当てれば、規則正しく伝わる振動とくぐもった声。

「…苦しい」

眉間に皺を寄せて彼が掠れた声で呟いたから、安心して彼の胸元から退いた。

「ごめんね…寝ぼけてたみたい」

そう言えば目を瞑ったままの彼が、私の頭を撫でる。

「ねぇ…弔くんまた痩せたね…」

「…そうか」

「うん…無理、しないでね」

「あぁ…。お前といると何も考えずに寝れるんだ」

「もう少し寝ようか…」

そう声をかけると、私を抱きしめて安心したように微笑んだ。