女子高生

2回目の出会いはコンビニで。

どうしてもコーヒーが飲みたくて、訪れたコンビニで突きつけられた事実。
ポップには【コーヒー110円(税込)】の文字。
俺のポッケには泣け無しの100円玉。

(まじかよ…たかが10円…されど10円…。ってゆうか、なんで俺こんな金ないんだっけ…?ヴィランってこんなに貧乏だったか?)

少しでも本格的なコーヒーが飲みたかったのに、諦めて自販機のよく分からない80円のコーヒーでも飲もう。
ため息を着いてこの場を去ろうと振り向けば、目の前にはあの時の女子高生。
相変わらず短いスカートにバッサバサのまつ毛。
今日は俺好みのリップしてんじゃん…って違う違う。

「ヤホ!あの時のお兄さんじゃん!何してるの?」

「いや…」

俺の後ろをチラリと覗き込む。
流石にこの状況は恥ずかしすぎるだろ。
いい歳したおっさんがコーヒー変えずに立ち尽くしてたなんて。

「……ねぇ、お兄さんコーヒー好き?」

「え、好きだけど」

「この間たくさん手品見せてくれたから、お礼させてよ」

そう言って手際よく注がれたアイスコーヒー。
またあの時と同じ笑顔で「はいどーぞ」って言うから、戸惑いながらも受け取った。

「っはぁー…うめぇ」

そう言えば嬉しそうにこちらをみた彼女の手には、甘ったるそうなジュースの紙パック。

グゥゥゥゥ·····

空きっ腹に染みるコーヒーに、腹が鳴ってしまった。

「お腹減ってんの?なーんだ!早く言ってくれれば良かったのに!」

そう言って強制的に連れてこられたのは、町中華。
そして何も聞かずにテーブルに置かれたアホみたいにデカい料理。

「1時間以内に食べないと料金かかっちゃうから!急いで!」

そう、まさかの大食いチャレンジに連れていかれたのだ。

「絶対半分まではイケると思うんだけど、それ以上は無理そうでね!2人なら挑戦していいって書いてあったから!」

ほっぺがパンパンになりながら言う彼女。
普通何が食べたいか聞かないか…?とツッコミそうになったが、テーブルに置かれた時計はすでに15分を刻んでいる。

結局食べきれたのは2人で3分の2程度。
時間が足りなかったとかじゃなくて、ただ単に店の亭主が性格悪いだけだ、ありゃ。
おかげ様でお腹はパンパンだし、久しぶりのまともな飯に涙が出そうになった。

「…あれ?君、半分行けるって言ってなかった?」

「ね!私もそう思った!まぢウケるw無理ゲーw」

そう言いながら席を立つと、伝票を持ってレジへ。
今まで女に伝票を持たせたことなんてあったか?しかもこんな若い子に。
食べきれなかった罰金はもちろん、彼女の財布から出されるこの状況が酷くダサい。
どうしたらいいのか分からず、彼女の半歩後ろに立てば

「ほら、外出てヤニでも吸って待ってて!」

背中を押されながら店から出されてしまった。
会計を済ませた彼女が、店から貰ったガムを咥えながら出てきた。

「…ご馳走になってごめんな」

そう言えば

「言うならありがとう、じゃないの?」

首を傾げながら真面目な顔で言った。

「ってゆーか、私が付き合わせたんだっけ!逆にありがとうなんだけど」

笑った彼女につられて、俺も吹き出してしまった。