「ん…っ、はぁ…」
「…どう?気持ち?」
行為にもだいぶ大胆になってきた。
ついこの間まで恥ずかしがって泣きそうになっていたのに。
元々素質があるのか、びっくりするぐらい上達していく彼女。
初心な感じもたまらなかったけど、こうして俺色に染まっていくのもなんだかんだ悪くない。
「っ…ん、なんかすごいねそれ。勉強してきたの?」
「ほ、んと…?ぁっ…荼毘ぴ、が、ね」
「…は?」
俺の上に乗って淫らに腰を振るあの子の口から荼毘の名前。
「っちょ…たんまたんま」
虚ろな目でどうしたと訴えかけてくる。
まさかの奴の名前に、俺の息子も中でどんどん萎んできてしまった。
「なんで荼毘」
最高に気持ちよかったのに、なんで他の男の名前なんか。
よりにもよって荼毘…!
しかもなんだよ、ぴ、って…荼毘ぴってなんだよ…!
EDでもねぇのに中折れって、トラウマにでもなったらどうしてくれるんだ。
「ん、なんで怒ってんの…?」
「いやいや、セックス中に他の男の名前はアウトだろ」
明らかにいつもの口調ではない俺を見て、子犬のように眉を下げた彼女。
「…ごめんね?」
だからってそんな顔で謝られてしまうと、俺が悪いみたいじゃないか。
落ち着け、大人の俺。
荼毘ぴだかなんだか知らねぇが、この子は俺ので俺はこの子の彼氏ってやつなんだ。
タバコに火をつけて冷静になろう。
何口か吸っては吐いてを繰り返せば、顔色を伺いながら彼女がぺたりとくっついた。
「それで…?なんで奴」
気持ちが落ち着いても、あいつの名前なんか今は口にしたくなくて…なんて大人気ない。
「え、っとね…セックスに貪欲な方がいいって言うから」
いやいやいやいや、何言ってくれちゃってんだあの野郎。
確かにそうだけども、いつまでも恥ずかしがってるよりかはさ!
こうしてセックス好きな子になってくれたほうが俺も嬉しいし、まだまだ教えこんでおきたいプレイとかもあるけどさ!
お前がそれを言う…!?
そもそもお前はセックスする相手がいるのかね!?
燃やす事しか考えてねぇ無愛想なクソガキがそんなこと言う!?
「てか待って、いつからそんなに仲良くなってんの!?」
この間紹介したばっかだよな?
そんで君は俺の後ろに隠れて可愛らしく人見知り全開だったろ!?
「ひみにゃんと仲良くなって、そのまま流れで〜」
ひ、ひみにゃ…ん…?
必死で頭をフル回転させる。
ひみ…ひみ………トガちゃん…!!!
「あれ?言ってなかった?教室まで来てね、そのままマックでだべったの!」
制服来てるから普通に入って来れたんだって〜ウケる、といつもの調子で喋りだした。
さすがと言うべきか…トガちゃん、君はそういう子だったね。
確かに紹介はしたけどさ、アイツら全然興味無さそうだったじゃん。
なんで俺の知らないところでそんなの始まってんのよ。
「…ってことは、他のやつも…?」
「うん!とむとむとぉ、スピとトゥワちゃんでしょ?荼毘ぴにひみにゃんにセンセー!」
「は!?先生!?」
まさかの展開に頭を抱える俺と、嬉しそうに話す彼女。
共に素っ裸で、これなんの状況だとツッコむ気も失せた。
「ねぇねぇ、あつひろさん?」
「ん?」
抱きしめられた腕を柔らかいのが包み込む。
少しだけ冷たくなった体が可哀想で、俺のシャツを肩に掛けた。
ブカブカのシャツに包まれた彼女と、腕に当たる胸。
素直な息子は先程の姿を取り戻し、元気に立ち上がる。
よかった、EDの心配は無さそうだ。
「これからはアイツらと会うならちゃんと連絡しなさい」
「はーい」
俺は父親か。
また余計な事を考えそうになったが、とりあえず俺の女だって自覚のない彼女にお仕置の1つや2つ。
しっかり教えこんでやんねぇと、話はそれからだ。