あれから火傷の男は私のシフトの日だけ来るようになった。
何か買う時もあれば何も買わずに帰っていくこともある。
毎回気づいたら背後にいるし、とてもびっくりするからやめて欲しい。
何故自動ドアの音がしないのだろうと不思議に思えば
「俺が人じゃないからかもなぁ?」
そういって驚かして来ることもあった。
「なぁ、暇」
そう話しかけながら床に座り込み、届いたばかりのジャンプを読み出す。
「私は暇じゃないです」
そう言い捨て、逃げるように反対側のお弁当エリアに移動した。
むくりと立ち上がりだるそうに後を追ってくる火傷の男。
(なんで着いてくるの!?早く帰ってよぉ)
心の中で何度も祈るが神様には届いてないようだ。
おにぎりの廃棄チェックしている私の背後に立つと、肩の上に顎を乗せてきた。
ヒュっとなる喉に固まる体。
(パ、パーソナルスペース狭っ!)
横すら向くことも出来ずしばらく固まる。
耳元に彼の息遣いが聞こえるから、幽霊ではないようだ。
聞きなれない機械音に彼の体が離れた。
彼は手に取ったスマホを何度かスライドさせると舌打ちをした。
ドアの方をチラリと見ると
「じゃぁな」
そう言ってコンビニを出ていった。
少し気になって商品棚から顔を覗かせて外を見た。
外を走りすぎていく車のライトに反射してよく見えないが、ハットを被った長身の男は変わった仮面を付けているようだ。
こちらに気づいたのかどうかは分からないが、仮面越しに目が合ったような気がして鳥肌がたった。