あれから私の仕事を邪魔する男が1人増えた。
何をする訳でもなく、荼毘と呼ばれる彼は相変わらず背後に立つし、ハットと仮面のMr.と呼ばれる彼は相変わらず表情が読めない。
それでもMr.さんの方が話しやすいのが正直なところだ。
珍しく2人でコンビニに入ってきた。
廃棄おにぎりを見つけながら陳列している姿を見て、Mr.さんが見様見真似で手伝い始めた。
「自分で出来るんで大丈夫です!あぁ、荼毘さん!勝手に食べないでください!」
選別された廃棄のおにぎりを勝手に食べ出す荼毘さんに、さすがにやばいと焦る私。
相変わらず先輩はバックヤードから出てこないけど、監視カメラで見られたら怒られてしまう。
私は何も悪くないのに。
「あぁ、ヒョロいメガネの奴だろ?アイツ俺らが来るとすぐ裏行っちゃうよ?」
そう言って笑ってるMr.さん。
(なにそれ先輩、まぢで勘弁してよ)
おにぎり食べながら鼻で悪う荼毘さん。
「まぁまぁ、君には変なことしないから。なぁ?荼毘」
「…さぁ?どうかな」
ニヤリと笑った彼に少しだけイラッとしたのは秘密にしておこう。
さすがの私も彼らの不気味さと図々しさには慣れて来てしまったし、わざわざ突っ込む気もないけれど。
Mr.さんの“君には”って言葉になんだか違和感を覚えた。
「なぁ、唐揚げ食いたいんだけど。あれいつになったら廃棄になんの?」
(こんなふざけたこと言ってる人達が悪い人なわけない…よね?)