深夜2時。
あきらかにガラの悪い若い男性数人がコンビニにきた。
レジ下でいじっていたスマホをポッケに閉まった。
心の中で酒は買うなよ…タバコは買うなよ…そう願いながらレジに出されたカゴの中身を確認する。
大量にはいったアルコールに、〇〇番と注文されたタバコ。
「ね、年齢確認おねがいします」
そういえば舌打ちをされる。
「はぁ?俺らが未成年に見えるって言いてぇの?」
「早くしろよ、ブス」
「勤務態度がなってねぇな、本社にクレーム電話入れちゃうよ?」
罵倒され続け今にも泣き出しそうだ。
先輩はまたもや仮眠中。
何度もレジ下の呼び出しボタンを押すが気づいて貰えない。
というか気付いてるけど監視カメラみて気付かないふりでもしてるんじゃ…。
顔があげられず下を向いて必死に涙を堪える。
諦めた男達はコンビニを後にした。
しばらくすると血だらけで助けを求めてくる人、さっきのヤンキーだ。
急いで救急車を呼んだ。
事情を説明すると何故か先輩は一緒に救急車に乗り込んでしまったし、店内には私1人取り残された。
とりあえず床に垂れた血を拭かないと…。
モップで擦っていると、見覚えのある靴先。
顔をあげれば荼毘さんだった。
「災難だったな」
何故かあの場にいなかった彼がニヤリと笑った。
もしかして、もしかしなくとも彼の仕業なのか。
なかなか出てこない言葉たちに口をパクパクとするしか出来なかった。
「怪我なくてよかったな」
あそこまでボロボロになるまで傷つけた人が言う台詞じゃなかった。
「ひ、人を傷つけるの、はダメです」
声が震えてる。
ちらりと見上げれば冷たく見下ろされる。
「…あんな奴らを庇うのか?お人好しだな」
バカにしたように笑った荼毘さんが怖い。
「あの時は、ムカついたし悔しかったです。でも私のためにあなたが暴力を奮ったら、それは暴力でしかないんです…!」
「…意味わかんねぇ。おまえ頭イカレてんのか?」
そう言い残し、出ていってしまった。
それから荼毘さんは来ることはなかった。