彼女の好きなところ

【爆豪勝己×髪】
「ん」

風呂上がり、ドライヤーを手に取って自分の膝の間を指さした。
嬉しそうに小走りで来ればちょこんと座り込んだ。
落ち着きがないコイツはキョロキョロと頭を動かす。

「おい、やりずれぇ。前向け」

頭をがシッと掴んで前を向かせたが、しばらくすると膝をポンポンと叩いてきた。
なんだとスイッチを切れば

「そっち向いてもいい?」

と振り返るから、いいから早くしろと急かせば向き合うように座り直した。
再びドライヤーを始めるとじっとこちらを見つめてくる。
気にせず乾かし続け、前髪に熱風を当てればナマエが目を瞑った。
ドライヤーを横にズラしそっとキスを落とせば、少し驚いた後照れたように再び目を閉じた。

サイドの髪を耳に掛けてやると、上手く引っかからなかった髪がサラサラと滑り落ちる。
この瞬間が好きだ。
目を瞑ってまだかと待つナマエが、催促するように腕を引くから何度もキスした。

「勝己って髪好きだよね」

「ちげぇよ、お前の髪が好きなんだ」

꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳

【切島鋭児郎×二の腕】

「ちょ、ねぇ…触りすぎ」

一緒に映画を見ていたら彼女からそう言われた。
ソファに2人で座って肩に腕を回してたら、無意識に彼女の二の腕を掴んでいた。
フニフニとなんとも言えない柔らかさが気持ち良い。
暑がりの俺に合わせられたエアコンで、いつもより二の腕が少し冷たい。

「わりぃ!気持ちよすぎてつい!」

良い意味で言ったつもりなのに、ムッと嫌そうな顔した彼女。

「それって太いってこと?」

「…太い?」

「二の腕気持ちいいって太いってことじゃん」

「違ぇって!なんつーか…ほら、胸とかお尻の気持ちよさとは違ぇんだって!…あーもう!ずっと触ってたい!」

自分の言葉にハッとして、目の前のナマエは真っ赤だ。
何言ってんだ俺。

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【上鳴電気×胸】

ナマエの好きなところなんて数えだしたらキリがない。
顔も性格も全部好きだし、嫌いな所だって好きだって思える。
そんなカッコイイこと言ってみたいけど、正直な所やっぱりおっぱいが1番好き。
おっぱいは男のロマンだ。
この話題で峯田と何時間でも猥談が出来そうだけど、さすがに俺の彼女のおっぱいの話は聞かせたくない。

「俺さ、他の生おっぱいなんて見たことないんだけど、お前のおっぱいって形、色、感度どこを取ってもパーフェクトなんだよね」

「……それ、このタイミングで言う?」

「おっぱい目の前にして言わなくていつ言うんだよ。もっと喜んでよ」

嫌そうにした彼女なんて気にもせず、目の前のおっぱいに2礼2拍手。
そしたら結構強めに頭を叩かれた。
俺は何時でも本気なんだけどなぁ。

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【瀬呂範太×口】

隠しもせず大笑いするその口が好きだ。
美味しそうに食べる口も、綺麗な歯並びも、チラリと見える赤い舌も。

「お前の口、好きなんだよね」

そう言うと恥ずかしがって手で覆ってしまった。
隠さないで、ちゃんと見せて。
手を優しく退かせば、恥ずかしいのを我慢するかのように軽く噛まれた下唇。
あぁ、そんなことやったら唇が傷ついてしまう。
噛まれた下唇にそっとキスすれば、ぷるんと効果音がつきそうなほど解かれた唇。

「隠せば隠すほど見たくなるんだけど」

「意地悪だね」

その口にもう1回キスをした。

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【死柄木弔×手】

身体中に手を付けているからって、別にフェチとかそんなんじゃない。
でもこいつの手は特別だ。

俺に向かって伸ばされた手が、俺の頬を撫でた。
温かくて柔らかいその手で撫でられれば、ゆっくりと眠気が襲ってくる。
なんて不思議な手なんだと、瞼を閉じた。

「私が死んだら、身につけてよ」

目はもう重くて開かないが、声の感じからして笑っているのは間違いないだろう。

「やだよ」

「え!なんで?」

断られるとは思ってなかったんだろう。
今度は不満そうな音になった。

「冷たくなった手より、温かいお前の手がいい」

目を瞑っていてもわかる、きっと今のナマエは泣きそうな顔で笑っている。

꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳

【荼毘×目】

「俺だけ見てろよ」

恋愛映画なんかで聞く、定番台詞を口に出してみる。
目の前の怯えるお前は、青ざめた顔でうん、ともすん、と言わない。
おかしいな…男がこう言えば女は喜ぶものだと思っていたのに。

「なぁ、どうしたら俺のことだけ見ててくれるんだよ」

両頬に手を添えて見つめ合えば、大きな瞳から涙が溢れた。
これはきっと嬉し泣きだと思えば、愛おしくて堪らない。
笑って細くなる目も、怒って睨みつける目も、怯えて泣いている目も全部ぜんぶ好きだ。

「これ以上言わなくてももう分かるよな?お前が痛がることはしたくないんだ」

そう言って涙を舌で掬い上げれば、そのまま眼球をひと舐めした。
舌先の弾力に負けそうな眼球さえ、愛おしくて興奮した。

꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳

【Mr.コンプレス(迫圧紘)×声】

「圧紘さんっ!」

「ん〜。どうした?」

少し遠くの廊下から、ナマエが俺を呼ぶ。
周りがガヤガヤとうるさいこんな場所でも、彼女の声だけはしっかりと鼓膜に響くんだ。
どこに隠れていても、どんなに遠くても、どんなにか細くても分かるんだ。

「ンぐっ……あ、つひろ、さ……」

「ん〜。どうした、苦しい?」

俺を呼ぶ声に、ゾクゾクと全身に電気が走るよう。
掴んだ首元に、くっきりと浮く血管。
熱を含んだ声も、痛さを我慢する声も、ひゅっと抜ける空気と共に発される声も。

「もっと、呼んで。俺以外の男の名前なんて呼ばないで」