【爆豪勝己】
勝己の部屋でまったりと過ごしていた。
ベッドに肘を付きスマホを弄る勝己と、テレビを適当に眺める私。
明日の天気でも確認しとこうかとニュースを選べば、ホワイトデー特集が。
あの出来事から1ヶ月…今でも思い出すだけで顔が熱くなる。
普段からハグしたりキスしたりはするが、口移しなんてあれ以来していない。
チャンネルを慌てて変えれば
「ホワイトデー、何がいい」
スマホから目を離さず勝己が呟いた。
「な、なにがって」
「なんかしてもらいてぇことねぇのかよ」
再び頭の中に流れるあの日の光景。
してもらいたいなんて言い出す勝己はエスパーかなにか。
挙動不審な私に近付けば「すけべ」と耳元で呟かれた。
勝己の顔はニヤリと笑って意地悪だ。
いつも私ばっかりテンパって、勝己はずっと涼しい顔で笑っている。
たまには勝己が照れればいいんだ。と気づけば今度は私の番。
「す、すきって、たくさん言ってみてよ!!」
必死で考えた結果出た答えはそれだった。
ポカンとした勝己の顔は少しマヌケだったけど、すぐにいつもの意地悪な顔に戻った。
これはミスったと気付くも、勝己の腕の中にスッポリと収まってからでは遅かった。
耳元に唇が近づくと囁くように「好きだ」と発せられた勝己の声。
鼓膜に響くハスキーボイスにゾクゾクと体を震わせた。
真っ赤な顔を隠すように勝己の首元に擦り寄れば
「…こっちみろ」
と優しく撫でるように顔をあげさせた。
「っ…無理だよ…」
「だめだ、ちゃんとあげろ」
頬をガッチリと包み込まれた。
おでこにチュッと軽めのキスを落とされ再び「好きだ」と言われた。
今度は瞼に、鼻先に、順番にキスを落としては何度も「好きだ」と呟かれる。
おでことおでこをコツンとくっつけると目が合った。
真っ赤で綺麗な勝己の目には私の瞳が映し出されている。
「ナマエ愛してる」
そう呟くと深く深く口付けられた。
何度も角度を変えて口付けられ、息することも忘れそうだ。
目には涙が溜まって全身の力が抜ける。
優しく押し倒されながら、今度は首筋、喉、鎖骨とキスが落とされた。
「当日はなんでも言うこと聞いてやるから…先にお前からのお返し寄越せ」
そういった勝己は珍しく余裕のない顔だった。
꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳
【轟焦凍】
予告通りホワイトデー当日は焦凍とデートすることになった。
この日だけは仕事を入れまいとする焦凍は少し怖かった。
プロになれば朝晩関係なく招集は入るし、ヴィランがいればヒーローがいる。
プライベートなんてあるようでないのだ。
どんなにお給料が良くってもブラックなのには変わりない。
そんな多忙の中でも焦凍は私の時間を大事にしてくれた。
不器用な彼が私のことを思って何かをしようとしてくれているのだ。
こんなにドキドキしたホワイトデーが今までにあっただろうか。
いつもより気合いの入ったメイクに一目惚れしたワンピース。
この日のためにカバンも靴も新調した。
いつもなら迎えにくる彼が、「先に待ってる」とタクシーを寄越した。
乗り込んでしばらくするとホテルに着いた。
扉が開かれるとスーツに身を包んだ焦凍の姿が。
手を取り降りればホテルの中へと歩き出した。
エレベーターは最上階を目指し動き出した。
「なんだか今日豪華だね」
そう言うと嬉しそうに焦凍は笑った。
レストランへ着くと黒服の男性が「お待ちしておりました」と声をかけた。
夜景が見える窓際の席に座れば周りを見渡す。
「もしかして…」
「今日のために貸し切った」
「ありがとう……!」
「周りの目なんか気にしたくねぇから…」
スーツのポケットから小さな箱を取り出すと、小さく息を吐いた焦凍がこちらをみた。
「俺と結婚してくれ」
突然のプロポーズに泣き出した私に焦る焦凍。
「ちがうの、嬉しくて…私でよければ、おねがいします」
そう言うとホッとしたように笑った。
「いつもナマエが俺のために色々してくれてるから、俺もなんかしてやりたかった。ナマエが喜ぶ顔とか想像していくうちにすげぇ幸せな気持ちになったんだ。ナマエはいつもこんな気持ちになってたんだな」
「ふふふ、相手の喜ぶ顔を想像するのって幸せでしょ?」
「ああ、そうだな」
「…覚えててくれたんだね」
付き合い始めた頃、どんなに長く一緒にいてもたまにはデート先で待ち合わせがしたい。
プロポーズは高級ホテルを貸し切って結婚してくれって言われたい。
そう話したことを覚えててくれたのだ。
「幸せにする」
「うん、一緒に幸せになろうね」
꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳
【荼毘】
今日に限って荼毘が見当たらない。
ホワイトデー楽しみにしとけって言ったのは荼毘の方なのに。
弔くんに確認しても知らないと言う。
帰ってお風呂にでも入ってふて寝してやろう。
乱暴に脱ぎ散らかした服を適当にそこらへんに投げつける。
今日の為に着てきた勝負下着だって無意味だった。
八つ当たりするように思いっきり洗濯機へ投げた。
シャワーを捻り頭から被れば視界は涙でぼやけた。
馬鹿みたいだ、あんなやつの言ったことに期待して。
どうせあの時機嫌が良かっただけだ。
本人は自分の言ったことなんてきっと覚えていない。
キスされて勝手にその気になってしまった自分が虚しくなった。
「はぁ、もう忘れよう」
独り言を呟くと、ガチャりと浴室の扉が開いた。
同じく素っ裸の荼毘が「なんで先に帰ってんだよ」そう言いながら、恥じらいもなくズカズカと浴室に入ってきた。
シャワーを自分の方に寄せる荼毘に
「は!?ってかなんで入ってきてんのよ!」
「…お前が風呂入ってるから」
「ちがっ、そういうことじゃなくて…!」
「ボスからお前が探してたって聞いたんだ、なんか用があったんだろ?」
ニヤリとこちらを笑う荼毘はきっと全てを理解してる。
悔しくてキッと睨めば気にすることも無くボディーソープのボトルを渡された。
何だと再び睨みつければ「洗ってくれよ」って言うから渋々タオルにボディーソープを染み込ませた。
「それ痛ぇから手で頼むわ」
なんて注文が多いやつだ。
でもよく考えてみたら体に広がる火傷に硬めのタオルなんて痛すぎる。
タオルから泡を絞り取れば向かい合う彼の胸元を撫でた。
黙って見下ろす彼の目線が痛い。
恥ずかしくて逸らそうにも下を向けば大事な部分が丸見えだし横を向くのも変だ。
目線が定まらない私にくくく、と笑えば、私の手を取り股間へと押し付けた。
「ここもしっかりな?」
「ひゃっ!」
ソレを握らせると上下に動かした。
空いた手で顎を掴むように上に持ちあげると、かぶりつくようにキスされた。
初っ端から舌は入ってくるし、ちっとも可愛らしくない乱暴なキスに呼吸が乱れる。
器用にキスしながらシャワーで泡を流せば、腰を抜かしペタンと座り込んでしまった私。
「どうした?そんなに気持ちよかったか?」
必死で酸素を取り込む私の頭をよしよしと掴んだ荼毘。
「チョコじゃねぇから噛むなよ?」
完全に勃起したソレを口に突っ込んできた。
呼吸も乱れたままで、そんな大きいの入れられたら苦しいのに、気持ちよさそうに目を細めて笑う表情が嬉しくて必死に舌を絡めた。
「上手だな」
そんな事言って褒められたら下半身は締め付けられる。
浴室の壁に押さえつけられるように喉奥まで突っ込まれ、苦しくて押し返そうにも自分の体を支えるのが精一杯だ。
何分そうしていたか、苦しさから涙ぐみ、時折嗚咽も出る。
それでも色気が漂う荼毘の表情を見るとこちらも興奮した。
「そろそろ出るぞ」
鼻を摘まれると口いっぱいにドロりとした液体が注ぎ込まれた。強制的に飲み込んだ液体が喉に張りつく。
「美味しかったか?」
嬉しそうに私の涙を拭いながら言った。
こくりと頷けば「ホワイトデーのお返しな」そう言って浴室から出た荼毘は身支度を済ませると部屋から出ていった。