「あ、相澤先生!」
「あ?なんだ名字」
「わ、私は生徒じゃないんですか!」
思い切って聞いてみた。
だって私は16だ。ぽいよはキャラクター設定的に18である。
その場合ぽいよより、私の方が1-Aにいる可能性の方が高くないか!?
それなのになぜ!私は!生徒ではないの!?
「……ハァ?」
「……!?」
すると突然シュルッと布の擦れる音がしたかと思うと、私の身体は宙に浮いた。
こ、これは相澤先生の捕縛武器だ……!
「ああああ相澤先生……!?」
「お前……この後に及んで教師辞めてぇとか言うんじゃねぇだろうな……?」
「え、え、え……!?」
「マスター……!」
お腹とか胸に捕縛武器がくい込んで少し痛い。
それに相澤先生が言ってる事がよく分からない。私が教師……?ぽいよの方が遥かに良いだろ……??
とか思ってたらぽいよが捕縛武器を引きちぎって私を助けてくれた。ありがとう我が相棒。
「ぽ、ぽいよ……ありがとう。」
「マスター……怪我は?」
「大丈夫だよ、ありがとう。」
捕縛武器を引きちぎったぽいよを少し驚いたように見つめつつも、相澤先生は捕縛武器を首に収めてくれた。
そしてぽいよの首裏を掴むと、ポイと私から引き剥がしてしまった。
「……とりあえず松田は早くクラス行け。……名字は……その様子じゃ何も分かってなさそうだな……来い。」
「は、はい。ぽいよ、じゃあ行ってくるね。」
ごめんね、と口パクをして私は相澤先生の元へ歩いていく。
なにがなんだか分からないけれど、楽しい事があるのかな。
「……まず一番最初から話すぞ。」
「はい!」
相澤先生の口から聞いた話は、トリップしてきた私の事だった。
けれど私からしたら、トリップしてきた私の『設定』だったけれど。
まず私の個性は『治癒』というもので希少性が高く、ヴィランに狙われているという事。
そのためには雄英高に入るのが一番良いのだが、私の個性は『治癒』。怪我や病気を治すだけではヒーローにはなれない。派手な個性に強靭な身体、そしてなによりヴィランに対抗できうるくらいの力が必要なのだ。
けれど私にはそれがない。個性を取り除いてしまえば、私は無個性の一般人と変わらないのだ。
だからヒーロー科に入学させる事は難しく、しかし普通科や経営科、サポート科に入ったとしても、ヒーロー科に主にいるプロヒーローから目が離れてしまい保護にならない。
だから私は特別に、『教師』という立場に置かれた。
リカバリーガールの助手として養護教諭になり、ヴィランからの保護の他に個性の強化も目的だ。
「ま、そんな感じだ。お前昨日教えたのにもう忘れたのか?」
「そ、そうみたい、です……。」
「……。」
与えられた情報にフリーズして処理に追われてるのに、相澤先生は固まった私を見て引いている。
昨日私はぽいよの歌作ってたもん!話なんか聞いてないわ!!
「……まぁ今度は忘れるなよ……。俺はクラス行くから、お前もついてこい。」
「!良いんですか!?」
「クラス挨拶するって昨日言ったよな?」
「す、すみませんでした!!」
だから私は昨日ぽいよの歌作ってたんだってば!!!!
***
「あ、相澤先生……?」
「あ?なんだ?」
「私……クラスの所に行くんでしたよね……?」
「そうだが。」
「ならなんで……。」
私今保健室にいるんですか!!
目の前ではリカバリーガールが、嬉々として私を着せ替え人形のように白衣やらなんやらを着せていく。
カーテンの向こう側にいるはずの相澤先生からは、諦めろと言われた。
あ、諦めろですと……?
「あの……なぜ私はこのような事態に……。」
「今日からあんたも教師の一人さね。だからコスチュームくらい必要だろう?」
だから私が自前に頼んどいたのを着せてるところさね!と自信満々に言うリカバリーガール。かわいいけれど、何この格好。
私はあの今流行りのブル〇ンち〇みのようなブラウスとスカートに、黒のタイツ、その上に膝下までの袖が広がった白衣を着せられた。
これはちょっと、恥ずかしいよリカバリーガール。
小物はどうしようかねぇと呟き始めたリカバリーガールに危険を感じたら、横から相澤先生がこれ付けろと懐からチョーカーを渡してきた。
飾りの部分には雫型の真っ赤な宝石が埋まっていて、とても綺麗でかわいいけれどなぜチョーカー。
「こ、これは……なぜチョーカーなのですか先生……。」
「猫の首輪みてぇで良いだろ?お前が攫われた時にでも大丈夫なようにGPS付きだ。」
妖しく笑った相澤先生。Sですね!
あとGPSにつきましては聞きたくなかったです!
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