夜の国の、小さな物語
ところが。 花畑のすみで、 フロルは足を止めました。 そこには、 まだ大きく花を開いている 小さな花が一輪。 周りの花は、 みんな眠っています。 けれど、その花だけは、 夜空を見上げるように咲いていました。 フロルは、 そっと花のそばにしゃがみます。 花びらに触れても、 閉じる様子はありません。 香りを届けても、 小さく揺れるだけ。 それでも、 花は眠ろうとはしませんでした。