紛れもない君の言葉だから
コンビニ寄ろ、って思って足を運んだのに、当初の予定とは全く関係のない物に目を惹かれることがある。普段はわりと良い意味での出会いだと思うけど、今日のは最悪。俺の視線の先にあるのは『熱愛発覚!?』と目立つように書かれた見出しの雑誌で、そこにはふっかさんと市華の名前が刻まれていた。
目黒「ねえ、これ、どういうこと?」
忌々しいと思いながらも、その雑誌を買って、帰ってきた彼女の前に突きつける。きょとんとした表情を浮かべる彼女は「何これ」と言って雑誌を読み始めた。
目黒「事務所とか何も言ってなかったの?」
「うん。初めて知った。……書いてあることは、同級生なことだけが事実で後はみんな適当だね」
目黒「ふっかさんと会ったりは?」
「してないよ。連絡先も知らないからね」
目黒「ん、分かった」
彼女を信じる。今まで信じてなかったわけでないけど。「疑ってごめん」と市華を抱きしめると「疑ってたの?」なんて彼女は笑った。
目黒「ちょっと心配した。同級生だし」
「同級生だから何か起こるってわけでもないでしょ?」
目黒「まあー……、たぶん」
「私が好きなのは、蓮くんだけだよ」
俺の目を見てそう話す彼女に触れるだけの口付けを落とす。「俺が好きなのも市華だけ」って呟きながら。
翌日の現場は9人での現場だった。俺は何食わぬ顔でふっかさんの隣に座った。ほかのメンバーはまだ来てない。
目黒「おはようございます」
深澤「おっす。あ、めめ」
目黒「ん?」
深澤「言っとくけど俺、連絡先も知らないからな」
めっちゃ真剣な顔でふっかさんはそう言った。それだけで十分、言いたいことは伝わった。
目黒「ふはっ、分かってるよ」
分かってるっていうか、市華からも話聞いてるし、信じてるって方が近い。ただ後からマネージャーさんに聞いた話、この件に関しての会社は完全黙秘を貫くらしい。まあ、いつものことだけど。
深澤「エゴサしてたらけっこう城崎さんの名前出てきてさ、良いこと悪いこと混在してたからそのー……、俺が言うのも変だけど気にしたげて」
目黒「ありがと」
佐久間「おーっす! おお?! 修羅場!?」
深澤「ちげーよ」
佐久間くんが来て空気ががらりと変えられる。ただふっかさんの優しさはじんわり俺に沁みて、そして俺の心に小さな決意をうんだ。