肌感が心地良いっつーか


今年の夏は馬鹿みたいに暑くてそれは東京も例外じゃなかった。クーラーで冷えた家の中にいるのに、ちょっと別の部屋に移ると暑すぎて暑すぎてイライラする。そんな中、ピンポンとチャイムが鳴る。モニターに映る彼女はへにゃと笑って何かを掲げてきた。

「翔太ー、いるー?」

「おー」と生返事をする。いないのに開かねえだろ、普通。そんなこと全く気にせず怜奈は「アイス買ってきた!」と笑顔を向けてきた。

渡辺「何買ってきたわけ?」
「サーティワン!」
渡辺「俺これ」

パチパチするやつを手に取れば「あ!」と声をあげられる。じとりと見れば「あ、ううん。好きなの食べていいよ」と言われた。

渡辺「お前、これ食いたいの?」
「んー、今の気分はチョコミントなんだけど、ポッピングシャワーも美味しいでしょ?」
渡辺「……ん、食う?」

1口掬ってスプーンを差し出せば、怜奈はそのままぱくりとアイスを食べた。

「うわ! んーまっ! あ、ミント食べる?」
渡辺「ん」

ん、と出されたアイスを食べさせてもらう。歯磨き粉みたいな味すんだよな、これ。
涼しい部屋でふたり、肩を並べて黙々とアイスを食べる。ちょっと寒いくらいで、でも肌を寄せ合えばなんかいい感じにぬるくてちょうどよかった。時折「ん」と差し出されるアイスを自分の口に運び、俺も「ん」と自分のアイスを怜奈へ差し出す。

「パチパチがすごい」
渡辺「んはっ、なんだよそれ」
「驚かない? すっごいパチパチしてんだよ」
渡辺「んー」

そりゃパチパチはすっけど、そんな目輝かせて言うほどでもないっていうか。些細なことだけど、可愛いって思った。

「今日この後の予定は?」
渡辺「別に。何も」
「あ、本当? じゃあYouTube見よ」
渡辺「お前、YouTube好きだな」
「翔太ほどじゃないよ。晩御飯食べてってもいい?」
渡辺「んー、てか明日早いわけ?」
「明日は昼から」
渡辺「じゃ、泊まってけば」
「え? いいの?」

こくりと頷けば、彼女は真夏の太陽よりも明るい笑顔を向けて笑った。そっからは、ダラダラYouTube見て一緒に晩飯食って、それぞれに風呂入って怜奈のスキンケアまでしてやって、ヤることヤってひとつのベッドで眠りについた。