ヤキモチはお互いに食ってしまって
地方から返ってきて久しぶりに少しだけ時間がとれた。怜奈と休みが重なって、でも特に何をする訳でもなくお互いに自由な時間を過ごしていた。それも飽きて、ソファにふたり肩を並べながらテレビを眺める。バラエティ番組でチャンネルを止めれば、今季のドラマに出てる女優さんとsilentの番宣で出てるめめが映された。
「この女優さん、可愛いよね」
「おー」
「あ、思ってたんだ」
こてんと首を傾げて怜奈が俺を見つめる。
「あ?」
「じっと見てるから好きなのかなって」
「ふは、おう。可愛いよな、この人」
「ふーん」と呟いてぷいとそっぽをむく彼女。嫉妬が目に見えて分かりやすくてついからかいたくなんだよなぁ、こういうの。
「何?」
「別にぃ? 私の方が可愛いもんね?」
「ぐわははッ! 何? 気にしてんの?」
にやにやしながらそう尋ねれば向こうもにやにやしながら「別に」と答えた。
「あ、目黒くんだ。相変わらずイケメンだなぁ。かっこいい」
「はぁ? お前は俺だろ?」
すかさずそう言うと彼女は俺の顔を見てふっと吹き出した。
「あははッ! はいはい、翔太くんが一番かっこいいですよー」
「ぐはははッ」
ふたりして笑って「めめよりかっこいいとこ、言ってみ?」なんて調子に乗ったこと言ったら「じゃああの女優さんよりかわいいとこ言って?」と返された。お互い何も良いとこなんて出さずにきゃいきゃい言い合って時間を溶かした。くだらない時間が何よりも大切で息抜きになるって伝えたらきっとこいつは調子に乗りそうだから、言わずにキスしてうるさい口ごと塞いでやった。