眠り姫はキスで起こそう
わしわしと髪を拭きながら部屋へ戻れば、怜奈はソファに丸まって寝息を立てていた。
渡辺「喋らなきゃ美人なんだけどな」
「しょーたぁ……」
渡辺「うわ、起きてんのかよ」
「んん……」
ごろんと寝返りを打って、またすうすうと寝息をたて始めるのを見て小さく息を吐く。
渡辺「……軽っ」
怜奈を姫抱きにしてベッドへと向かう。こいつ、めっちゃ食うのになんでこんな軽いわけ? ……もしかして、筋トレの成果か? そう思ったらちょっとモチベーション上がったかも。
「ん……、しょーた?」
渡辺「うわ、起きた」
「おはよー……?」
渡辺「もう寝るけど」
「じゃあ、おやすみなさ〜い」
渡辺「おい、起きたんなら自分で歩け」
「いーやーでーす」
ぱっと手を離そうとするも、怜奈は俺の首にぎゅうぅっとしがみついてきた。いやまじ、ぎゅーとかじゃなくてぎゅうぅって感じなの。こいつ俺のこと大好きか。
渡辺「ぐははっ」
「うるさぁ」
渡辺「まじで降ろすぞ」
「しょーたくん、優し〜! 最近筋肉もついてきてるし! ってことで、お布団までお願いしま〜す」
渡辺「なんだよそれ」
適当に持ち上げすぎだろ。ベッドまで連れて行ってシーツにポーンッと転がせば「きゃーっ」と子供みたいに彼女は笑った。そんな余裕、すぐ無くさせるんだけど。