※付き合ってるIf


「おはようございまーす」
大光「おー」
「あれ、たいこーだけ?」
大光「んまぁ」

スマホを見れば、仕事が押してるとかちょっと寄り道していくとかそういう連絡がきてた。ちゃんと見てなかったや。

大光「あのさ」

ちょっと来てと言わんばかりに手招きされて、たいこーが座るソファの空いてるところに腰掛ける。

「なに?」

不意にぎゅうってたいこーが私を抱きしめる。「みんないると出来ないし」なんて向こう向きながら話す姿が可愛くてつい顔が綻んでしまう。

「たいこー、こっち向いてよ」
大光「……何」
「ふふ、顔見たいなぁって」
大光「なんだよ」

悪態付きながらもこっち向いてくれるの。素直にお願い聞いてくれるところも、実は甘えたがりなところも、可愛くてしょうがなく思えちゃう。

「……っ、たいこー?」
大光「嫌?」

鼻と鼻が触れるくらいの至近距離。こぼれた二酸化炭素がお互いの肌を掠めるほどの近さで、少しだけ熱っぽいたいこーの瞳が私を捕らえる。

「……いや、じゃないけど、誰か来たら」
大光「1回だけ。んでやめるから」

そう言って彼は私の唇を奪った。触れるだけのキスはちょっと甘酸っぱくてくすぐったい。1回だけの約束なのに、唇が離れると名残惜しくてついそんな視線をたいこーに投げてしまう。たいこーはそれに気付いて、また唇を重ねてきた。

琳寧「おはよー!」
「わ、お、おはよ!」
大光「おっす」

バンと開かれた扉。お互い急いで離れたけど、見られてたかも、気付かれてたかも、ってドキドキが胸を襲う。

琳寧「2人だけ?」
嶺亜「おつかれー」
琳寧「あ! 嶺亜さんおつかれー!」

そのままりんねはれーあの方に行って話を始めて、私とたいこーは顔を見合わせてくしゃりと笑った。誰にも言えない2人だけの秘密。そんな出来事がまたひとつ増えたみたいで、少しだけ嬉しく思ったなんて言えるわけもないけれど。



たいこーの初恋の味