「れーくん、課題終わった?」
私の手に握られた1枚のプリント。ちょっと考えたけど何一つ分かんなくてれーくんに助けを求めた。
黎「俺その講義取ってないんだけど」
「え、あー……そっかぁ」
敢え無く撃沈。そういえばれーくんいなかったかも……。
「今日りんねもかつきも来ないよねぇ」
黎「そーだね」
「うーん……。ちょっとお散歩してくるね」
黎「プリント持って?」
「うん。急にひらめくかもしれないでしょ!」
黎「はいはい。大光来たら練習始めるからね」
「はーい」
黎「スマホ、持ってって。LINEするから」
「りょーかいでーす」
***
ふらふらとお散歩を始めて、数分。茶髪のお兄さんを発見した。あの後ろ姿はきっと……!
「阿部くん!」
阿部「伊織?おはよう」
「おはようございます!今日撮影ですか?」
阿部「うん。って言ってもまだ早いんだけど。伊織は?」
「自主練です!れーくんとたいこーと」
阿部「頑張ってね。で、その手に持ってるのは?」
「あー……えへへ、大学の、課題です」
阿部「へえ、見てあげよっか」
「いいんですか!」
阿部「うん」
***
阿部「……ってことなんだけど、分かった?」
「すっごい分かりやすかったです!」
阿部「なら良かった」
着信が入り慌ててスマホを手に取る。
「わ、あ!」
阿部「呼び出し?」
「そーみたいです。たいこー来たらLINEするって言ってたのに、気づかなかった……」
阿部「集中してたもんね」
「ごめんなさい、ちょっと、電話出てもいいですか……!」
阿部「いいよいいよ、気にしないで」
「すみません……!」
阿部くんから少し離れたところで電話に出る。
「もしもし、れーくん……?」
黎「伊織どこ行んの?LINE見てないでしょ」
「ごめんっ!すぐ行くから先始めてて!」
黎「へーい」
「ごめんなさい、阿部くん!私戻りますね……!お勉強教えてくれてありがとうございました!」
阿部「どういたしまして。急ぐのはいいけど転ばないように」
「はい!ありがとうございました!」
***
レッスン室に戻ると、たいこーもれーくんも既にスタンバイして待っててくれた。
「おまたせ!」
大光「おせーぞー!」
黎「いや元々遅刻してたの大光だからね」
「練習始めよ〜」