体調不良で休んでたたいこーが復活して数日。DREAMBOYSが開演するまで数時間。何回舞台に立っても拭えない緊張感と高揚感に胸を高鳴らせていると近くの楽屋にいるはずの樹くんからLINEが来た。
『楽屋来て』
なんだろう。でも先輩の呼び出しは絶対だから! れーくんに「樹くんに呼ばれたから行ってくるね〜」と言い残して、樹くんの楽屋へ向かう。コンコンとノックすると低めの声で返事が返ってきて恐る恐るドアを開いた。
「樹くん、どうかしました?」
田中「ん? あー、伊織。こっち」
樹くんは自分の隣のソファをぽんぽんと叩いて示した。隣に立てば腕を引かれ座らせられる。
田中「暇だからなんか喋ってくんね?」
「えぇっ、えーとえーと……」
田中「なんでもいいべ」
「あ、この間ジェシーくんとお買い物したんですけど」
田中「は? いつ?」
「先々週くらいに……!」
田中「ジェシーと2人?」
「最初2人で、途中でこーちくんも来てくれました!」
ジェシーくんと渋谷ぶらぶらして、こーちくんが来てからはこーちくんの車でドライブしたんだ。そのことを樹くんに話せば「今度俺とも飯行くべ」って髪をくしゃくしゃと撫でられた。樹くんと約束が出来るのがなんだか嬉しくて顔がへにゃりと緩んだ。樹くんはにやにや笑いながら「何? そんな嬉しい?」って呟いた。
「嬉しいです!」
田中「ふはっ、いい返事。美味いとこ連れてくわ」
「やったぁ!」
喜ぶ私を横に、くぁと欠伸をする樹くん。つられて私からも欠伸がこぼれそうになる。噛み殺して、樹くんを見れば「ちょっと寝るわ」と言ってソファに横になり始めた。
「じゃあ、私楽屋戻りますね」
田中「ん、おぉ……」
「おやすみなさい、樹くん」
すぐに眠りにつく樹くんにそう呟いて静かに楽屋を出た。