会いたい、ってもう何回言ったか覚えてない。
独りの時にも、本人にも。
幾度となく繰り返した言葉に、瑠依が応えてくれることはなかったけど。
居なくならないでほしかった。
俺たちと一緒に夢叶えるって約束したじゃん。
それなのに、瑠依は俺たちを置いていった。
いや、俺たちが、瑠依を置いていったのかもしれない。
「どっちでもいいや……HAHA」
誰もいない部屋で彼女とのLINEをぼんやり眺める。ずーっと昔のから遡って、誕生日祝いあってるのとか、お互いのスマホで撮った写真送りあってるのとか、どうでもいい会話したり、電話したり、今じゃあんまり出来ないことをあの頃はたくさんしてたんだよなぁ。
可愛くて負けん気が強くて、誰よりも男気があって誰よりもアイドルに強い想いを馳せていた、俺の大好きな瑠依。
「なぁんでかなぁ……」
Jr.のときの楽しい思い出がいくつも蘇る。瑠依もいて、7人で飯行ったり、馬鹿みたいに騒いで怒られたり、たくさん喧嘩もして、たくさん仲直りして、たくさん泣いて、たくさん笑った。
涙を滲ませながら笑う瑠依は綺麗で、皆を魅了する光を持っていた。
大好きだった。ううん、今でも大好きで仕方ない。
だから、会いたくて、抱きしめたくて、ごめんって謝りたい。無理してでも止めれば良かった。7人でSixTONESやろうって言えばよかった。ひとりぼっちにさせなきゃよかった。全部全部謝ってしまいたい。今度こそその手を離さないからと誓いたい。
「今から行ってもいいー……?」
LINEの画面を開いては、そう文字を打って、消してを繰り返した。あっけらかんと笑って話せるのは皆の前でだけ。ひとりになるとどうしようもなく切なくなって喉が詰まる。
抱え込んでもいいことは無い。大きな身体をぎゅっと丸めてソファに倒れ込む。LINEの画面を開いてすぐに通話ボタンを押す。相手は瑠依じゃない。
「あ、もしもし。こーちぃ……」
「何、お前酔ってんの?」
「まだ飲んでなァいよぉ!」
「えー、でも絶対めんどくさいじゃん」
「DAHAHA、わかるぅ?」
「分かるよ、そんくらい」
「ちょーっと……、瑠依のこと考えてたんだよねぇ……」
「え。あー……瑠依かぁ……」
会話が途切れる。でも何を言いたいかは分かる。言わなくても分かる。ずっと、そうだったから。
「ねぇ、こーち、俺どーしよー!」
「うわ、うるっさ! どうもしないだろ。今のままでいいんだよ」
今のままってなんだよ。でも、こーちの声は柔らかくて、すんなりと受け入れられそうだった。……今のまま、進むしかない。そうやって俺たちは、俺たちの道を選んできたから。後悔したって、歩みを止めることはない。