嫁×俺の服=最強ってこと?
『……服、ありがと』
『ん? あー、おう』
佐久間「うわー! 今の美彩めっちゃ可愛い! 彼シャツじゃん!」
すぐそこに本物がいるのにドラマを見始める彼。ちょっとだけ寂しさを覚えつつも、いつも沢山のアニメを録っている彼のHDDに私の出演してるドラマが並んでいることには誇らしさを感じた。……でも、でもやっぱり寂しい。寂しい、というかちょっとだけテレビの向こうの自分に嫉妬してる。
こっそりリビングから抜け出し寝室へ行って、彼の脱ぎ捨てた服に身を包む。あ、大介くんの匂いがする……。ごろごろして服にシワがつくといけないから、ずっと立ったまま。
佐久間「美彩〜?」
CM中なのか、それともドラマが終わったのか、私を呼ぶ声がする。着替えなきゃ、と思った時にはもう遅くて、勢いよく寝室のドアが開いた。
佐久間「えぇっ!? 彼シャツ!? しかもそれ俺のじゃん!?」
「う……、あ、ご、ごめんなさい……!」
佐久間「え? なんで謝ってんの? てかそこ暗いからこっち来て。もっとしっかり見せて?」
おずおずとリビングへ向かうと、彼はぱぁっと笑顔を見せた。
佐久間「超可愛い! 写真撮っていい?」
「……恥ずかしいから、だめ」
佐久間「んじゃあ、1個だけ聞いてもいい?」
「なぁに……?」
佐久間「俺の服着てるのって、俺が美彩のドラマ見てたから? 画面の中の美彩に嫉妬しちゃった? なぁんて」
にひひと笑う彼と図星すぎて何も言えない私。くるくると私の周りを1周して「やっぱり写真撮りたいなぁ……待ち受けにしたい……」なんて呟かれたら、断り続けることもできなくて。むぅ、と口を尖らせて大介くんを見つめる。
佐久間「佐久間さんの〜、バックハグとキスがついてもダメ?」
「……もう一声」
佐久間「んふふ、んじゃあどーしよっかなぁ。今日はずっと美彩から離れない!」
「絶対?」
佐久間「絶対! お風呂も寝る時もずっと一緒!」
「……うーん。じゃあ、大介くんと、ツーショットなら、いいよ?」
佐久間「ほんと!? 撮ろ撮ろ!」
ソファに座って後ろから抱きしめられて記念撮影。「今の美彩超可愛くない!?」とか「彼シャツの威力やべー!」とか、真後ろから聞こえる言葉の数々に嬉しくなって、思わず笑ってしまう。
佐久間「俺の服、いつでも着ていいからね。なんならそれで仕事行ってもOK!」
「ふふ、ありがと。でもさすがにこれでお仕事行くのは……」
佐久間「恥ずかしい?」
「……大介くんのこと思い出して、衣装に着替えたくなくなっちゃうし、そのままお仕事するのも気が引けちゃうから」
佐久間「んふふ、かぁいい。んねぇ、美彩」
「なに?」
佐久間「大好き。俺にとって一番の嫁は美彩だからね」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力を込めたのは私の方。大介くんは少し照れ笑いを浮かべながらそっと私に口付けた。