Snow ManLIVE TOUR2021in新潟@
「えっ……当たった……」
誰もいない部屋でひとり、ぽつりと言葉をもらす。何気なく確認したメールボックスに入った一通のメール。そこにはこう書かれていた。
"「落選」された方の中から、再抽選のうえお送りしています。おめでとうございます!復活当選です。"
何度も文面を読み返してスクショを撮って柚月に送る。すぐに既読が着いて『次の休みいつ? うちわ作ろ」と返事が来た。次の完全オフは3日後。柚月と約束して、今度はマネージャーさんにLINEを送る。
『Snow Manの新潟公演当たりました……! 25日です……!』
『OK、新潟ね。その日は避けてちょっと地方番組出れないか確認してみる』
『ありがとうございます……!』
マネージャーさんの仕事の速さには頭が上がらない。結局、24日に現地入りして、25日はコンサート、26日の午後からロケという形で決まった。柚月にも話をして、その日を待った。
***
当日、駅で柚月と待ち合わせて、新幹線に乗り込む。「うちわ持ってきたよね?」ってお互いに確認して、他愛もない話もして、ドキドキと早まる気持ちを抑えながら現地へと向かう。隣に座っていたマネージャーさんは「楽しそうだね」って最早保護者みたいな顔で笑ってた。
ホテルに入って明日着る洋服をハンガーに引っ掛ける。この前の横アリの時と違って、今度は時間に余裕もあったからちゃんと服探してきたんだ。いわゆる量産服。淡いピンクのフリルのブラウスに黒のミニスカート。こういう機会でもないと、絶対にすることのない格好だから1回してみたくて……!
念入りにスキンケアして、ヘアアレンジをYouTubeで勉強してから眠りにつく。明日、会えるの楽しみだなぁ……。見つけてくれるかな……。せめて、岩本さんが柚月を見つけてくれたらいいな……。そんなことを考えながら微睡みに落ちていった。
***
気持ちよく目覚めて伸びをする。開場入りするまでまだ時間はたっぷりあるし、ゆるゆると準備を始める。スマホを見れば『今日で新潟最後! 早く美彩に会いたい!』って大介くんからLINEが来ててつい「私も」と口に出して答えてしまった。
柚月「準備できた?」
「ばっちり!」
柚月「うわ、本当に量産型オタクになってる」
「ふふ、どうかな?」
柚月「どうもこうも……。これ、さっくんでも気付かないんじゃない?」
「え、うーん。でもそれはそれで別に……」
あんまり気にしないかな。見つけてくれたら嬉しいけど、大介くんの視力にも限界があるからね。くるくるに巻いた髪の毛を指でいじって解く。ふふ、可愛い。自分なのに自分じゃないみたいでなんだか胸が踊る。
会場で柚月と色々な写真を撮ってオタ活してから入場する。スマホのカメラロールに大介くんのうちわやアクスタと撮った写真がたくさん溜まっていく。目に見える思い出のひとつで、これから始まるコンサートへの期待も相まって多幸感に包まれていた。
「ドキドキしてきた……」
柚月「大丈夫……。来れただけでもう後悔とかないから……どこでも……」
2人でぎゅっと手を繋いでチケットを発券する。ドキドキが煩くて胸がきゅうって苦しくなった。
「え、ここどこ?」
柚月「わかんない」
会場内の地図を見て心臓が止まる。……え、うそ。最前……?
「ねえ、最前!?」
柚月「最前!! やば!! どうしよ!!」
きゃー! と2人で盛り上がって席まで向かう。近すぎて、ここに大介くんやSnow Manの皆さんが立つと思ったら緊張して凄く落ち着かなかった。それは柚月も一緒みたいで「やばいやばいやばい」と何度も繰り返してた。
「息できないかも……」
柚月「これは絶対通る……」
「どうしよう……」
柚月「とりあえず呼吸して呼吸……」
何度も深呼吸を繰り返して、開演を今か今かと待ち望んだ。