それでも彼女を夢に見て
透華の本を買って帰路へ着く。
ソファに凭れて小説を開くが読み始めて数分で知らない言葉に躓いた。その度にスマホで調べて、読み進めて、また調べて、読み進めて……。難しいけれど、決して理解できない訳では無い。ページを捲る度に少しずつ彼女の頭の中を知れるようでわくわくしてしまう。
ふ、とひと息ついた頃には時計はかなり進んでいて、今日はここまで、と本を閉じた。
小さく伸びをして、レインボーローズと食事をして、シャワーを浴びて、スマホを確認する。あ、透華からLINE来てる。
『涼太くーん』
『食べ方が分からない』
『(´・_・`)』
送られてきた画像はこの間俺が作りおいてきたご飯で。チンして食べるだけなんだけど……。
『レンジでチンして。500Wで3分だよ』
『チンした! 一緒にパンも置いてあったでしょ? 付けていいの?』
ああ、それか。
『うん。スープに浸して食べて』
『はーい』
今日はご飯を食べる気になったみたい。少しだけほっとした。暫くして『ごちそうさまでした!』とLINEが来て顔が綻んだ。『まだ食べるものある?』って聞いたけど返事はなし。お風呂か……、寝たのか……、また書き始めたのか。分からないけれど、また少ししたら彼女に会いに行こう。
宮舘「おやすみ、良い夢を」
レインボーローズにそう呟いて、俺も夢の世界へと誘われる。