物語のラストは決まってなくて


それから数日。また阿部から「透華ちゃんの新作、出てたよ」って報告を受けた。阿部はいつも翔太じゃなくて俺にその報告をしてくる。新作って、恋愛小説のことだよな……。「もう読んだ?」って聞いたら「まあね」って。早いな。

阿部「透華ちゃんが恋愛小説書くなんて意外だったし、そういうのにあんまり触れる機会ないから凄くドキドキした。それとさ、……この作品って、舘様の熱愛記事と関係あったりする?」

あまりにも頭が切れすぎてて吹き出すほどに笑った。「ご名答」なんて言いながら、スマホで彼女の小説を検索する。帰りに本屋寄るの忘れないようにしないと。

阿部「そっかそっか〜。うん、俺は応援してるよ」
宮舘「何を?」
阿部「うーん、ヒロインの恋路?」
宮舘「ネタバレやめてください」
阿部「あはは、佐久間みたいなこと言わないでよ」

他愛もない話だったけど、阿部の何気ない言葉に少しだけ勇気を貰えたようにも思う。まあ、阿部が応援してるのはヒロインの恋路であって俺の恋路ではないけれど。