向日葵みたいな可愛い笑顔
「あ! じーこ先輩! おはようございます」
向井「え、みちゅ! おはよーさん!」
ただの挨拶でふわりと花笑む彼女に目を奪われる。今すぐこの姿をレンズの中に閉じ込めたいって思って苦しくなった。可愛い可愛い後輩のみちゅこと苅野湊月は、関西から出た今でもこうして俺を見かけると声を掛けてくれる。デビューしたのは向こうの方が早いんやけど、相変わらず俺のことはじーこ先輩ってJr.のときと変わらない呼び方で呼ぶ。可愛いやろ?
永瀬「あ、じーこ。それに湊月も」
向井「おー」
ひらひらと手を振りながら近寄ってきた廉はみちゅの肩を肘置きにして話し出す。「重い」なんて言いながらも廉を払い除けないみちゅ。いっつもこんな感じなんかな。……ええな、その距離感。俺には到底出来ないことを簡単にやってのけるのは、同じグループのメンバーとして積み重ねてきたものの大きさなんかなって思う。廉もみちゅも入所したときから見とったのに、いつの間にこんなに差ができたんやろ。ちょっと寂しい。
永瀬「楽屋」
「ん、分かったから手ぇどけて」
永瀬「ん」
廉が素直に手を退けるとみちゅは俺に向かって「じーこ先輩またね! Snow Manさんのパフォーマンス見てますからね!」と言って手を振ってくれた。俺も「おう」と答えて手を振り返す。先を歩く廉を追いかけるみちゅの後ろ姿を見えなくなるまで見てたら時折、ちらっとこっちを振り返ってくれた。その度に花開くような可愛い笑顔を向けられて、もう俺どうしていいか分からん。とにかく好きすぎてやばい。心臓持ってかれる。
ずっとこんなんじゃなかったんよな。はじめは本当にただの先輩後輩で。でも、ジャニーズって男社会の中で、必死に食らいついていくみちゅのこと見とったら、めちゃめちゃ応援したなって、それがいつしか、支えたいって気持ちに変わって……。そんくらいからずっと、みちゅのこと、目で追う機会が増えた。いわゆるLIKEがLOVEに変わった瞬間なんてさっぱり分からんくて、気付かんうちに好きになっとった。でも、それを口にすることも、今の関係を壊すことも出来そうにない。意気地無しやな、俺。
佐久間「お! 康二、どこ行ってたんだよー!」
深澤「なんでそんな顔してんだよ、お前」
楽屋に戻ってすぐ、そんな風に明るく迎え入れてくれたメンバーに感謝しつつ「なぁ、俺どうしたらええねやろ」ってつい、言葉を洩らしてしまった。