夜香木の見守る中で
今日一日で何枚写真を撮ったのか。ほとんどみちゅやで? 大ちゃんとのツーショットもやし、ピザ頬張ってるのとか、リトルグリーンまん食べてるのとか、映えそうなのめっちゃ撮った。大ちゃんの写真も何枚か撮ったで? でも圧倒的にみちゅが多い。しゃーないよな。
「ショップ! 行きたい!」
西畑「絶対ぬいぐるみ買う勢いやん」
「んふふ、見てから考える〜」
キラキラした目でぬいぐるみを見つめるみちゅ。それを見つめる俺。真剣に見つめられてるぬいぐるみが羨ましい、なんて。……恥ずかしくて言えんな、こんなん。
「むー……」
向井「どうしたん?」
「みんな可愛くて、お店ごと買いたいなぁって」
西畑「やばっ」
向井「部屋ん中ダッフィーで溢れてまうやろ」
「ほんとだ……! んー、この子、にしようかなぁ。あ、でもこの子も……シェリーメイちゃんも欲しいし……」
向井「ダッフィーやったらこの子?」
「そーですね!」
そう言ってみちゅはシェリーメイに目を向けた。俺は忘れんようにさっきのダッフィーを連れて隣に並ぶ。買ってあげんねん。みちゅの視界に入らんようにだけ気をつけて。
「よし、決めた! この子にしよっと」
シェリーメイを連れてみちゅは意気揚々とレジに向かった。俺も別のレジに並んでダッフィーを買う。
「じーこ先輩何買ったんですか?」
向井「俺? あー……、内緒」
「怪しい〜」
向井「何も怪しないよ!?」
「あれ、そういえば大ちゃんは?」
向井「あ、ほんまや。どこ行ったんやろ」
LINEをすれば、レジに並んでるって返事がきた。「ちょっとかかるっぽいわ」ってみちゅに伝えて、ショップの前で待つことにした。何話そうって考えてたら、少し離れたところできゃっきゃと話す声が聞こえる。よく聞いたら、Snow Manの話しとるみたい。バレとらんよね。……バレてたら、どう見られるんやろ。
「レジ、けっこう混んでるのかなぁ」
向井「どーやろ」
みちゅはまだあの子たちのこと気付いてないみたい。どーしよ、って思ってるうちに彼女たちはどこかへ行ってしまった。入れ違いに大ちゃんと合流して「帰ろっか」ってなった。俺の車で2人を送り届けることになったんやけど、先に大ちゃんが降りて、助手席に座るみちゅと2人きり。デート帰りみたいでめっちゃ緊張してきた……。
「あ、ここです」
向井「ん、遅くまでありがとなぁ」
「こちらこそです! すっごく楽しかった!」
向井「ほんま? ……また、遊べたら、ええな」
「ふふ、ですね! 本当に今日はありがとうございました!」
向井「ん、ふふ。あ、みちゅ」
「はい?」
向井「……これ、プレゼント」
「え!?」
さっき買ったぬいぐるみを渡せば、みちゅはぱちぱちと目を瞬かせた。少ししてふにゃと笑って「いいんですか……!」って。いいに決まってるやん。みちゅのために買ったんやもん。
向井「片方だけやと寂しいやろ」
めっちゃキザなこと言うてるかもしれん。「大切にしますね!」って満面の笑みで返されて、俺もすっごく嬉しかった。「おやすみ」って頭をぽんと撫でて笑う。好きの気持ちが伝わりますように。夢の中でもみちゅに会えますように。小さな願いを込めて。
「おやすみなさい、じーこ先輩」
その日の俺の夢にはみちゅが出てきて優しく笑ってた。なぁ、その笑顔は何を意味してんの。