「変じゃないよ」
彼女の問いかけにそう答えると、へにゃりと嬉しそうに笑った。身に纏った白のフレアスカートが風を受けてフワリと揺れる。彼女の雰囲気にとても合った膝上丈のそのスカートは、所々に藍色の小さな星が刺繍されていてその控えめな主張も彼女と合っている。
「ありがとうございます!あんず先輩!」
キラキラ輝く星のような彼女はきっと私では包み込めない。もっと広く壮大な…、そう…宇宙のような人でないと。だから彼女は彼に無意識の内から惹かれたのだろう。それは彼にも言えたことではあるけれど。
「ほら、早く行かないとレオ先輩どっか行っちゃうかもよ」
「はわわ、それはあり得ますね…」
あの人は今だによくわからないですから。と困ったように笑う姿からも、彼を想う愛しさが滲んでいる。でも、たまに彼の暗い宇宙が彼女の輝きを飲み込んでしまうのではないかと怖くなる。彼が私の気持ちに気付いているのかいないのか、それはもうどうでもいい。ただ彼が彼女を抱き締める時、私を見て勝ち誇った笑みを見せる、それに私は酷く彼を妬ましく思う。
「ねぇ、なまえちゃん」
「はい、何ですか?あんず先輩」
彼女は私の気持ちに微塵も気づかない。それさえも愛おしく感じると同時に、腹立たしくも感じる。彼女から抱き付いて来るのは、私だけだったのに。彼に合わせるべきでは無かった。彼を探し出すんじゃ無かった。
「今日は楽しんで来てね、デート」
思ってもない事を言うのはもう慣れた。このまま彼の元へ行かないで、私と一緒にいようと言う事も出来ない。言ってしまったらこの関係は揺らいでしまう。でも嫌いになってしまえば楽になれるかもしれない。
「はい!今度はあんず先輩ともおデートしたいです!」
彼女はこうしてまた無意識に私を縛り付ける。だから私は彼女を待つしか出来ない。
宇宙の隙間できみを待つ
(早く私に気付いてね)
戻る
NEVER LAND