「どうしたの?電話誰からだったわけ?」
「大変だよゆーた君!こんな所で宿題をやってる場合じゃなくなったよ!!」
「何それ、なまえが数学わからないって泣きついて来たんでしょ」
そうだけど、数学にかまけてる場合じゃないんだよ。明日の朝にもう一回頼み込んで二次方程式とやらを教えてもらおう。
「月永先輩が呼んでるから!」
「あー、なるほど。いってらっしゃい」
超スピードで荷物を纏めてそのままダッシュで教室を飛び出した。あの一方的な電話からすると月永先輩は昇降口にいるらしい。
「雨が降ってるから一緒に帰ろう!おまえが校舎に居ることはいま確認済みだから、早く来ないとおれが凍える!」
「ほえ、ちょ、え?」
「んじゃ、そういうことだから!魔法使って早く来いよ!」
これで昇降口だって分かった私をだれか褒めてくれないだろうか。できればあんず先輩あたりに褒めてもらいたい。
「月永先輩!来ましたよ!!」
「おお!思ったより早かったな!」
呑気に笑っているけれど、何で急に呼び出して一緒に帰ろうなんて言って来たんだろう。ふと、月永先輩の後ろに見える外に視線を向けるとザーザーと雨が降っていた。そういえば電話で月永先輩が言ってたなぁ。
「傘、持って来てないや……」
私が呟いた言葉に月永先輩が反応した。一言へ?と言って目を丸くしている。もしかして
「月永先輩も傘無いんですか?」
「傘無いからなまえの傘に入れてもらおうと思ったのに、なまえも持って来て無いとは予想してなかった!」
お役に立てなくて申し訳ないけど、朝あんなに晴れてたのに雨が降るなんて思わないじゃないですか。だから月永先輩も傘持って来てないわけでしょ。
「ま、無いなら仕方ないな。止みそうにもないし、帰るか」
「え?帰るって濡れちゃいますよ!?」
「たまには雨に濡れるのもいいではないか!わははははっ!」
「うわっ!冷たいっ!!」
私の手を引いてそのまま外へ飛び出した月永先輩はとても楽しそうに笑っていて、つられて私も楽しくなって一緒になってはしゃいでいた。
水浸しストーリー
(翌日、熱を出したのは言うまでもない)
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NEVER LAND