「そんなに見られるとさすがのみょうじでも食べづらいです。ちーちゃん先輩」
「気にすることはないぞ!遠慮せず食べてくれ!!」
「食べづらいって言ってる割りには口にたくさん詰め込んでるけどね」
ご飯粒付いてるよ、と向かいに座っている羽風先輩が自分のほっぺをつついて教えてくれる。ほっぺを探ってご飯粒を取ろうとするけど、見つけられないでいるとちーちゃん先輩が反対だと言って取ってくれた。
「ホント、小動物みたいで可愛いよねなまえちゃん。構いたくなるっていうか」
「みょうじ子供じゃないのでそんなに構わなくていいです!ね、にーちゃん先輩!」
「なんれおれに振るんらよ!」
右隣に座っていた仁兎先輩に同意を求めてみるが、同意はしてくれなかった。因みに守沢先輩は左隣に座っている。私の向かいは羽風先輩でその右隣に朔間先輩で左隣にはぷかぷか先輩がいる。
「なまえは『かわいい』ですよ」
「そうじゃのう。アイドルになれるような愛らしさを持っておる」
「そんなに褒めても唐揚げあげませんよ!」
先輩達はきっと私の唐揚げ定食を狙っているんだろう。だから私をこの席に誘導して逃げられないようにしたんだ。早く食べてデザートを守らなくては…!!
「でもなまえが食堂来るなんて珍しいよな。いつもお弁当だって光ちん言ってたけど」
「…だって今日デザート付くから……」
「もしかしてなまえは『ぷりん』がすきなんですか?」
深海先輩が首を傾げて問いかけて来たことにより、他の人の視線も私に集まる。そんなに見たいでもらいたい。
「……すき、ですよ…。悪いですか…」
だけどプリンが好きとか言うとまた子供扱いするだろうから先輩達には言いたくなかったけど、そんなに見られると素直に言うしかなくなるじゃないか。なんだよ、プリン好きで悪かったな。
「では俺のプリンもやろう!」
「俺のもあげるよ!」
「おれのもやるりょ!」
「ぼくのもあげます」
「では我輩も流れに乗って」
「そそそそそそんなにいらないです!」
遠慮はいらない!と守沢先輩が言っているけど、こんなに食べれないです。太っちゃうじゃないですか。ただでさえアイドルの皆さんに囲まれてスタイルとか気にしてるっていうのに。太らせて食べる気ですか。でも、やっぱり好きな物を貰うのは嬉しいもので、この際スタイルのことは置いといていいかななんて思ってしまう。
「…じゃあ、貰っちゃいますよ?」
「ああ!思う存分食べてくれ!」
「えへへ、ありがとうございます!」
早くご飯食べちゃおうと思っていると、朔間先輩が「良いものが見れた」と立ち上がって羽風先輩を連れて行き、守沢先輩とぷかぷか先輩もその後に続くようにして席を立ち、仁兎先輩までも立ち上がって行ってしまった。皆さんご飯食べ終わってたのか。でもそんな急に皆で居なくならなくてもいいのに。
「あっ!なまえ見つけた!教室に居ないから探しちゃったじゃんか」
一人で食べ進めていると月永先輩が守沢先輩の座っていた席に座って来た。今日は三年生に縁があるみたいだ。いや、月永先輩は割と毎日遭遇しているけど。
「なにお前。プリンに包囲されてるぞ」
「先輩方に貰ったんです。月永先輩はちゃんとご飯食べましたか?」
「いや、食べてない。唐揚げちょーだい」
ここで私があげないと、きっと何も食べないで午後を過ごすだろうから、開けられた口に唐揚げを運んであげる。せっかく守り抜いた唐揚げだから味わってもらいたい。
「みょうじ優しいですから、可哀想な月永先輩にプリンも分けてあげます」
「おぉ!ありがたく貰っておくな!スプーン貸して。食べ終わるまでに返すから」
月永先輩がスプーンを持ち歩いてるとは思ってなかったから最初からそのつもりだった。大人しくスプーンとプリンをみっつ渡す。半分こね、半分こ。やっぱり6個は多い。
「このプリン美味いぞ!ほら!」
スプーンで掬ったプリンを私の口元に運んでくるからそのまま食べさせてもらう。口に含んだ瞬間にとろけてしまうプリンは月永先輩の言うとおりとても美味しかった。自然と顔が綻んでしまう。
「んんーっ!美味しいです!!」
「うんうん、やっぱりいいな!なまえを見てると霊感が降りてくる!探した甲斐があったな!わはははは!」
月永先輩が騒ぎ出したが、私はプリンの余韻に浸るので精一杯だったので放置しておくことにした。
君の笑顔に癒されてる
「あ、これって間接チューだな!」
「ななななんてこと言うんですか!?」
戻る
NEVER LAND