1日目


 文化祭前日。うちのクラスの企画であるカジノの準備でただでさえドタバタしてるところに、急な追加の展示物制作の依頼を担任が持ってきた。仕切っていたのは私と摂津だったから、それはもうブチギレた。

「ちょっ...まじかよ...ありえねぇ」

「ほんまそれな...終わったら絶対たかってやる...駅前のスタバで新作フラぺMAXカスタム買ってもらおう」

「ぶっは 何でさらにカスタムすんだよ」

「値段を上げるために決まってんでしょ」

ほんとお前いい性格してんなぁ、と大笑いしながら作業を始めた摂津は不意に問いかけてきた。

「そういや、このまえあいつにコクられたってマジ?」

「あ〜......」

全く知らない子に呼び出され、告白され、お断りしたら逆ギレされた思い出が蘇る。

「いや、おまえがその気じゃないならいいんだけどよ」

「え、何が?」

「いや、こっちの話」

思い返せば半年前ぐらいから摂津の態度はおかしかった。

ずっと、私は気づかないふりをしていたのだ。



無事に頼まれた装飾を作り終えたのは、ほかの皆が下校し終わってしまった後の夜八時。
帰り際、駅まで送ってくれた摂津の「明日の、よろしくな」という一言を私はてっきり「明日からの文化祭、盛り上げようぜ」という意味だと思っていた。



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