※腐思考注意
※流れ弾で虹村も出てくる(CP表記無し)
※花宮真が受け
※ギャグテイスト

容姿端麗、頭脳明晰、運動神経だって抜群。人当たりの良い性格をしている良い人間というのは果たして存在するのか?
そういった質問に対して、私はYESと返答出来る。
私の前の席に座る花宮真という存在は、完璧人間と言っても過言では無いからだ。何処を切り取っても良い人なのである。
そんな彼を一目見た時から、ビビッと感じるものがあった。「彼は受け固定」だと。
私は所詮W夢腐女子Wという者である。
元々夢女子で手当たり次第良い顔の男と自分の恋愛を妄想内で楽しんでいたのだが、私が今熱いのは同性愛者の恋愛についてのものである。
これは私と良い顔の女、という訳では無い。良い男と良い男の恋愛の妄想を楽しんでいた。
中学1年に友人から勧められてから世界は変わり、今では二次元のみならず三次元でも顔が良ければ何でも食べれるようになった。
初めて三次元で妄想した中2の夏。最初は罪悪感に苛まれ、ネタにしてしまった男子に謝ってしまった。理由も説明せず、これまで関わりも無いのに突如私に謝られて驚きもしただろうが、戸惑いながらも許してくれた。元の兄貴分の性格や話しやすさによって、その彼とも結果的に仲良くなり、今でもたまに連絡を取り合う間柄となった。ありがとう虹村、アメリカでの遠距離恋愛楽しめよ。…まあ、これも妄想だが。
話が脱線した。虹村の事は置いて、今は花宮君の事について考えよう。
彼の後ろの席で背中を眺めながら、教師の話なんざ聞かず妄想の世界に入り込んだ。
誰相手だろう。彼の入ってるバスケ部の面子でも良いし、モブレも捨て難い。あー花宮君分裂して全員と恋愛とかしてくんねーかなー
「名字さん」
「は、はい!?」
「これ、後ろに回してくれないかな?」
「あ、ごめんなさい」
妄想に浸りすぎていた、危ない危ない…にっこり笑みを浮かべる花宮君からプリントを受け取り、後ろの人に配布した。
…プリントを受け取った時花宮君と手が触れ合ったな。同じクラスのモブ男と花宮君の恋愛とか良いな…前に向いた時に花宮君のシャンプーの香りが仄かに香った気がするし、これはもう後ろに座るモブはタジタジになるのでは?モブに迫られる花宮君もなんだかんだ好きになってそれで…ヒィ〜〜〜〜〜!!!
「名字!」
「ひゃい!?」
噛んだ上に声が上擦った。畜生これからって時に妄想を遮ってまで先生は何なんだ!
「この問題の答えは?」
「え、あー…分かりません…」
うん、学生の本分だわな。うん。妄想より大事だね…ちょっとだけ妄想は抑えめにしてノートは取ろう。

「名字さん」
「はい?」
休み時間に入った。つまり妄想フィーバータイムである。机に突っ伏してさっきの妄想の続きでも考えようとした時、花宮君から声が掛かった。
何だ?私の妄想を読み取れる力でもあるのか?ふはは!!!残念だな!!!私の妄想を止められはしねーぞ!!!せいぜい私の脳内で犯されれば良い!!!
「体調でも悪い?保健室連れて行こうか?」
「へ?いや、別に悪く無いから大丈夫だよ!」
「本当?さっき様子が可笑しかったから心配してたんだ。問題無いなら良かったよ」
まさかの私も気遣ってくれて声を掛けてくれた。「貴方が犯される妄想してたら授業に集中出来ませんでした」なんて死んでも言える訳が無い。少し罪悪感を感じるも、私の妄想を止める事など不可能。犠牲になってくれ花宮君!
「心配ありがとう、ちょっとボーッとしてただけなの。ごめんね」
「そっか。しんどかったら遠慮無く声掛けてね?」
「ありがとう、花宮君は優しいね」
「これ位普通さ」
綺麗な笑みを浮かべる優しい花宮君。そんな君もきっと夜は顔を歪ませ、沢山我儘言っているのね!!!…おねだりするのも良いが、口では嫌だと言う癖に体は反応してるってのも良いな。はー可愛い、めちゃくちゃ可愛い花宮君。ダークホースじゃないか…はー素晴らしき世界。ありがとう世界。花宮君を産んでくれたお母さんありがとう。彼も立派に子作りに励んでますよ、私の妄想の中でな。
「名字さんって意外に話しやすいね」
「はい?」
私の邪な妄想がオーラとして表れてしまったのだろうか?やべ、オーラを抑える方法ってある?後で調べよ。
「ああごめん!あまり男子と会話しないイメージがあったからつい…」
「あ、よく言われます」
「男子が苦手って訳じゃないんだ?」
「いや、そんなに?」
むしろ大好物ですが???あ、男同士の絡みがですはい。
別に妄想抜きにしても、ただ会話が下手なだけで男相手に苦手意識は無い。何だろう、妄想の世界に入り浸りすぎて現実世界の人間との関わりが少ないからだろうか?同じ性癖を持つ人間相手にはべらべら話すよ。典型的なオタクだよ。
「俺、名字さんと話してみたかったんだ」
「そうなの?有難う。嬉しいよ!」
この人良い人すぎない???きっとボッチそうな私を見兼ねてお話してくれたのね!何て優しいの花宮君。そんな優しかったら勘違いしちゃ人出てくるよ!妄想のネタ本当有難う御座います。
休み時間は花宮君との会話を楽しみ、少しだけ知った彼の話し方や趣味趣向などを授業の合間の妄想に反映させるのだった。