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拝啓、お祖母様。

中学三年生になった春。
私は校内で噂のイケメン、轟焦凍くんと隣の席になりました。

赤と白のツートンカラーの髪にオッドアイ。
顔の左側には火傷のあと。
1度見たら忘れようもないクールビューティな美少年、それが轟焦凍くん。
直接話したことはないけれど、どうらや成績も良く個性も2つ持ちらしい。
なんというチートな存在なんだろう。

そんな轟くんと中学三年生になった初めての席替えで偶然隣同士になった。

挨拶したほうが良いよな、いや、でもこんなイケメンと話して良いものなのか、と横目で轟くんをそっと見ると何故か轟くんと目が合ってしまった。
もしかして、視線ウザかったかな!?と、思いながらも慌ててぺこり、と会釈をすると轟もちょっとぽやっ、とした顔で同じように会釈をしてくれた。

彼のことをクールビューティと言い始めたのは誰なのだろうか。
ガン無視決められると思っていたが同じように会釈をしてくれた。
そしてなんだか小動物チックで可愛かった気がする。
もしかして今日は機嫌が良かったとか…?

「えっと、よろしく、ね?」
「ああ。」

勇気を振り絞って声を出してみたが、たった2文字で返されてしまった。
もうクールビューティなのか、可愛らしいのかわけが分からなくなってきた。
そのまま轟くんは視線を前へと向けてしまった。

まあ、あんまりお話する機会も無いだろうな、と思い私も全員席の移動を終えたか確認している担任に目を向けた。



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(でもまあ、隣の席にイケメンがいるって眼福だよなあ。)



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