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テーブルに置かれた薬の残骸。多分、今光也は頭なんて回ってない。
押さえつけた手が震えている。
あまり状況は把握できなかったがおおよその見当がついた。
「真里、気持ちは察するが止めとけ」
「てか…」
こいつはこいつであまり状況をわかっていないらしい。テーブルの上を指すとどうやら納得したらしい。
「あいつっ…」
「何があった。まぁおおよそは察したが…」
小夜ちゃんを見ると悔しそうに泣いてるだけで。多分一番状況が飲み込めていないのだろう。
「…あんまお前ら甘やかしたくもないんですがこれはランチ無理じゃね?」
小夜ちゃんが一番辛そうだ。だがまぁ。
「小夜ちゃん、出来る?てかやる?」
「うーん…」
「嫌ならいいよ。俺らは取り敢えずやるから。
まぁ辛いのはわかるけどね。大人になったらもっとえぐいことあっても接客しなきゃなんないこともあるよ」
「はい…」
「バカ共に付き合って小夜ちゃんがダメな大人になるのも俺は嫌だけどね。まぁ任せる。やるなら着替えて準備しな。あ、まずは水やりだね」
「はい…」
「まぁゆっくり考えて。もうちょい時間はあるから。真里、お前はちょっとこっち」
真里を呼び出して店の外の喫煙所でタバコを吸う。
話を聞けば聞くほど、
「バカだねぇお前ら」
としか言いようがない。
「そんなくだらない私情を仕事に持ち込むかね、良い大人が」
「まぁ…はい、まさかこうなるとは」
「まぁな、まさかのJK投入だからな。お前らは普通にしようとしててもな、あの子は切り込むからな」
「ですね。あっちはどうか知らんが俺は今日働くときくらいは普通にしてないとなって思ってましたからね、こんな時こそ」
「でもなぁ…。
そこが小夜ちゃんの良いところ。お前ら多分今回、小夜ちゃんなしだったら恐らく本気で終了だな」
「いや、今もわりと本気で終了じゃないかな」
「振り返ってみろ。今日小夜ちゃんが居なかったら。多分あんな険悪になってないよな」
「それっていいのか?」
「つまりだ。
解り合おうとする機会が減ったよな。お前は果たして光也の体調に気付いただろうか、疑ったまま触れられないでビビって終わってたんじゃないか?
光也も多分あんだけ興奮して言わなかっただろうしな。まぁちょっと興奮はね、異常性もあるから副作用的なもんもあると思うよ。いつもならダルそーに言うだろうからな」
「あぁ、なるほどね。てかそーなんだ」
「ダメだなお前一緒にいて知識が浅いね。どっちも飲んじゃったんだろ、あれ」
「怖いね柏原さん」
「ちょっと似てるからね、あいつ」
俺や、|静《しずか》に。
「真里、言葉の裏を読まなきゃな。めんどくせぇけど。
あれだけの拒絶、今までなかったよな。つまり今までにない変化があいつにあったんだよ。なんでそれで拒絶になったんだろうな」
「…え、単純に迷惑なんじゃないの?」
「それだったらさ、もっと前に切れたんだよ。いくらでも。多分さ、女が出来たからとか単純なもんじゃないよ。そんなのいままでいくらでもあったじゃん。
あいつなりにお前の何かを多分考えて、結果拒絶が一番いいと、思ったんじゃねぇの?」
なんでここまで言ってやってんだろ。
「忘れてない?あいつ、わりと嘘吐きだよ?だけど単純だからね」
「うん…確かに。でも…」
「なによ?」
「だったらより辛いな」
「逃げんなよそこで。お前も。お前ら二人とも逃げ腰だから今回小夜ちゃんが被害食ってんだよ」
一括したら黙りこくった。
「あんたってホントさ、性質《たち》の悪い変わり者ですね」
「まぁな」
ちょっとしかこーやって力にはなれねぇけどな。
「仲直りしろとは言わない。言えねぇけどさ…。ちょっとお互い前向こうや。昔より歳食ったんだから」
「そう…ですね」
自分でも少しこれは、
甘やかしすぎなんじゃないかなとか思う今日この頃。
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