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そんな話をしていたら、いつの間にか公園についた。自販機が見えたので、「なんか飲む?」と聞いたら、「じゃぁココア」と小夜言ったので、ココアを買って渡す。
「ありがとうございます」
「ん」
俺も取り敢えずで同じボタンを押して。
ベンチに二人で座ってココアを一口。何故か小夜は飲まない。手を暖めてるんだろうか、なんか転がすように右手、左手とココア持ち変えている。
「あれ?違うやつだった?」
「あ、いえ、違うんです!癖?」
「ん?」
「いや、その…。
みっちゃんが…。その、お兄さんが、これよくやるんです。小さい頃、お腹弱かったらしくて。私別にお腹弱くないんですけど、なんか、やっちゃうんですよね、これ」
「…へぇ」
「なんて言うか…。
お兄さんと出会うまで自販機で飲み物買ったことなくて、何選んでいいかわかんなかったんですよ。そしたら、俺はなんとなくココア好きだったんだけど、夏は冷たいのしかないから、よくお腹壊したんだって。そんなときに編み出した技らしいですよ。初めて会った日、そんなこと言ってて…」
「薄々気付いてたけど、お兄さんって」
「あれ?言ってませんでした?私拾われっ子なんです」
そんなことを、あまりにも無邪気に小夜が言うもんだから、思わず笑ってしまった。
「ごめん…!笑っちゃいけないんだけどさ、ちょっと…そんなに無邪気に言わなくてもよくね!?」
「え?」
「いやー、ごめん、うん」
「いや、全然いいですよ?私わりとネタにしてますから」
「え!?」
「別になんて言うか、みんな深刻そうにしてくれるんですけど、何が深刻なのかよくわからないし。
だって私からしたら、それが人生を明るくした、とても素晴らしい出来事だったんだから。いまの私は、拾われなければ、親に捨てられなければ、なかったんだから。そう考えたら…」
「よっぽどお兄さんのこと、好きなんだね」
「はい。たまにどうしようもなくくだらない人だけど。どうしようもなく自虐的だったりするけど。けど、大好きだし、何より尊敬します」
「そっか…」
凄く嬉しそうに、小夜が生き生きと語ってくれるから。
「そもそもどうやって出会ったの?」
「お母さんと私が喧嘩しちゃって…。出てけっ!ってね。雨のなかずーっと歩いていて、疲れたなぁ、と思ってアパートの階段で休んでたんですよ、傘も指さず。
そしたらすごくビックリした住人さんが、取り敢えず寒いだろうし迷惑になるからって、家にあげてくれて。
それが出会いです」
そんな、ドラマみたいな話があるのか。
「それから彼とは3ヶ月一緒に暮らしました。彼は、私の、お母さんが別れてしまっていたお父さんを探してくれたりしました。
別れは突然でした。花火につれてってくれて…私は人生初めての花火に喜んでたんですけど、そこにお父さんが迎えに来て…。
そのときはもう、泣いたし、怒ったし。みっちゃんのこともちょっと恨みました。けど、離れてみて、やっぱり、みっちゃんも、絶対辛かっただろうしたくさん悩んだだろうなって…。
だから再会して、いまこうしてまた暮らして、学校にまで行けてるなんて、幸せだし、凄いことなんです。昔は学校すらまともに行けてなかったから」
「…小夜…」
この子は…。
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