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それから柊造は、北海道に向かっている。
「青い洞窟が見たいね」
と言ったアリシアと、小樽へ向けて船に乗ったのだ。
「父はかつて、船上戦でも仲間をたくさん失った。敵船に飛び乗れなかったり、悪天候で置き去りにされた仲間もいた」
と思い出しても遠く。
「海も綺麗なんですね」と船の上、潮風に吹かれながら言ったアリシアに柊造は「そうだね」と言うに留めて海原を共に眺める。
海はとても広い。
船風が春の雪解けを感じさせる。夏には、とても良い場所だな、と柊造は遠くを眺めた。
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